【ショウガ】
(生姜) ショウガ科

 熱帯アジア原産で、広く各地に栽培の多年草。葉は葉鞘有し、長披針形で先はとがり、根茎は多肉で淡黄色で辛味強く、各節から高さ30〜50cmの偽茎を直立する。夏〜秋に花茎をあげ、緑色の苞葉から咲き出し、花冠は3裂して裂片はミカン色、唇弁は紫色で淡黄色の細点を有す。姜という語は百邪を防ぐの意。
[生薬] 生姜:根茎の外皮を去り縦割りにして石灰をまぶして乾燥したもの。淡黄色の白色粉霜で特異芳香を有し味は灼くよう。
 乾姜:根茎の皮を除き熱湯につけるか、蒸気で蒸して、石灰汁につけて乾燥したもの。灰黄色で切面は粉質で特異芳香を有し味は焼けるように辛く鼻をつき上げる。
[薬用]  生姜は芳香辛味健胃矯味薬で、1日3〜4gを水400ccで煎じ1日3回温服する。辛味強く甘草2gをまぜてもよい。民間ではセキ、タン、カゼに生姜の黒焼末や、汁と大根おろしをまぜて、またミカンの皮と共に煎じてもよいという。しゃっくりに生姜汁を少し服用する。脇臭には生姜汁をつける。ひび、しもやけに生姜と同量の山椒の煎汁を外用する。
[成分]  生姜は精油1〜3%を含み、主成分はシネオール、ジンギベロン、リナロール、ボルネオールなど、辛味成分はショガオール、ジンゲロンなど。精油は延髄の呼吸および血管運動中枢に対し興奮的に働き、血液の循環を高め、血圧を上昇させ、発汗を促し、呼吸や物質の代謝に良い影響を与え、体の機能を高め治癒機転に役立つ。
[栽培]  やや温暖地で多少水湿、充分日当りの良い所が適地。有機肥料を多用し油カスを元肥とし、溝を掘り浅く植える。土寄せをときどき行う。追肥(堆肥)をおくようにすると多く分岐する。