【シソ】
(紫蘇) シソ科

 中国中南部原産。芳香の1年草。湿地を好み、茎葉に毛は少なく、茎は4角で直立して分枝、枝開裂して全形丸く茂る。葉は長柄対生、卵形で先がとがり、鋭鋸歯有す。質うすくしおれやすい。9〜10月葉腋に淡紫色小花が総状花序をなし多数開く。紫蘇の蘇は気をめぐらし、血を和し、よみがえるの意で紫色であるから。
[生薬]  紫蘇葉:葉は広卵形で先がとがり鋸歯あり。長さ10cm、葉柄1cmの特異芳香を有し味やや油様。
 紫蘇子:種子は暗褐色粒子。径約1.5mmで特異芳香を有し、味は緩和で油様である。
[薬用]  葉や種子はセキ止め、鎮痛、鎮静、利尿、発汗、解毒薬として5〜15gを水7〜800gで煎じ、1日3回に分服する。魚毒、蟹毒などには葉を濃く煎じ用いると良い。
[成分]  全草に精油約0.5%を含み、主成分はペリラアルデヒド、リモーネン、アルファピネンなど、葉の紫紅の色素は、シアニンおよびそのパラクマール酸エステルである。
[栽培]  3月下旬〜4月に種をまく。本葉6枚になれば有機質の多い肥えた畑に定植。草木灰、カリ肥料を与えると株が丈夫になる。薬用は葉の紫色の濃いものが喜ばれる。