【サンシュユ】
(山茱萸・サンシュユ) ミズキ科

 中国原産。庭園に裁植される落葉小高木。高さ4m、樹皮ははがれやすい。葉は有柄で対生し、裏面の葉脈上に黄褐色の毛を生じ、長卵円形から長楕円形で先端はとがり、側脈は6〜7対。早春には葉に先立って枝先に黄色の小花を散形状に開く。果実は核果で紅熟する。

[生薬]  山茱萸:サンシュユの熟した果実から種子を取り除いたもの。長楕円形、やや扁圧され、長さ約2cm、径1cm。外面は赤紫色、なめらかで、しわがあり、柔軟で白色の粉霜をかぶる。味はやや甘く、酸味がある。8〜9月に果実を採集し、種子を除いて天日乾燥する。これを生薬、山茱萸という。
[薬用]  滋養・強壮・収れん薬として果実(山茱萸)3〜5gを水300ccで煎じ、服用して頻尿、寝汗などに用いる。民間では果実酒(山茱萸酒)を作り、冷え症、低血圧症、胃下垂症、胃液減少症、不眠症、希発月経などに服用する。
[成分]  果実はリンゴ酸、酒石酸、没食子酸などを含む。またイリドイド配糖体のモロニサイドやロガニンなどを含む。その他サポニンのコルニン、ウルソール酸なども含む。
[栽培]  日当りが良く、肥えた排水のよい土地が良く、栽培は容易。病虫害はほとんどない。