【ゴボウ】 
(牛蒡子) キク科

 畑に栽培される越年草で、茎の高さ1〜 1.5mに達する。根生葉は大きな長心臓形で束生し、裏面には白毛を密生する。夏ごろに分枝して、紫色または白色の頭状花を開く。根は地中で真っすぐ下に伸びて長く、食用にされる。
[生薬]  牛蒡子(種子)は7〜8月に採集し、牛蒡根は9〜10月に堀り上げ、ともに天日乾燥する。これらは収れん性で苦味があるが根の苦味はわずかである。
[栽培]  野菜の栽培をすぎて10月頃の果実を採集して種子をとる。
[薬用]  種子や根は消炎、解熱、解毒、利尿薬として用いられる。使用法は消炎、解熱薬として、種子5〜8gを水400ccで煎じ、1日2〜3回分服する。民間では咽喉のはれ、化膿性のはれものに、種子2〜3gを水100ccで煎じ服用する。たんがつかえて出ないときに、根の生の汁を服用するとよい。食物にあたったり、毒物を食べた時は、生の汁を服用したらよいといわれる。
[成分]  種子に配糖体アルクチインを含む。脂肪油30%含み主成分はパルミチン酸、ステアリン酸、油酸などのグリセリドである。根にイヌリン45%含む。