中国原産、古く日本に伝わり薬用として栽植される落葉小高木。高さ約3m。葉は対生奇数羽状複数。小葉は楕円形、先端はとがり全縁。下面は細毛が密生する。雌雄異株。8月ごろ、枝先に散房状に淡緑白色の小花を開く。果実は扁球形で外面は赤褐色、油腺があり特異な芳香を放つ。
|
 |
[生薬] |
呉茱萸:成熟した果実、扁球形、径2.5〜5mm。外面は暗褐色から灰褐色。毛を密生し、多くは油室がくぼんだ小点となる。2〜5mmの果柄があり、果実は開裂して5室に分かれ、各室に褐色の種子を2個ずつつける。特異芳香があり、味は辛く残留性で苦味がある。採集後1年経てから用いなければならない。
|
[薬用] |
頭痛、胸満、嘔吐、健胃、利尿薬として、果実(呉茱萸)2〜3gを水300ccで煎じ、1日3回に分服する。民間では葉を浴場料として用いると体が温まる。薬用部位は果実採集時期が10月〜11月。調製法は天日乾燥し一年後に使用。
|
[成分] |
果実にアルカロイドのエボジアミン、ルテカルビンなどを含む。その他、香気成分のエボデン、オーバクラクトンなど。
|
[栽培] |
多少湿気のある日なた地に生育する。繁殖はさし木、または根元からでる横芽を早春や秋に切りとり育苗し定植苗とする。栽培は容易。
|