【コブシ】
(辛夷) モクレン科

 山野に自生の落葉高木。高さ20m、葉互生し、全縁、長さ6〜15cm。春早く葉より先に白色6花弁を開く。果実はコブのある不整長楕円形をなし湾曲。秋に開裂し中から赤色種子を白い糸でたれ下がる。果汁は黒色染料に用いられる。
[生薬]  辛夷:コブシのつぼみ、毛筆形、長さ2cm、ネズミ色のじゅう毛密生、特異芳香有す。キタコブシ、シデコブシ、タムシバなどのつぼみも同様に用いる。
[薬用]  つぼみは芳香、解毒薬として鼻疾、瘡毒、頭痛などに5〜10gを水4〜600ccで煎服。また香水原料になる。
[成分]  精油のシトラール、オイゲノール、シネオール、ビネンなど、樹皮に毒成分サリシホリンを、花にルチンを含む。