【カンソウ】
(甘草・カンゾウ) マメ科

 シベリア南部から中国北西部に自生の多年草。茎は高さ1〜2m全株細毛を有し、葉は奇数羽状複葉で互生する。小葉は9〜17枚で鋸歯なく先はとがり、夏〜秋にかけて淡紫色の蝶形花を総状につける。満州産甘草(ウラル甘草)である。
[生薬]  甘草:カンゾウの根そのままか、コルク皮を除いたもの。長さ約1m径1〜3cm、皮付は赤褐色か暗赤褐色で不規則な縦じわと横径の皮目を有し、皮を取ったものは淡黄色でセンイ性で縦割りしやすい。スペイン甘草やロシア甘草が良品。日本の市場品は満州産甘草である。
[薬用]  根茎は緩和、矯味、鎮静、去たんに2〜3gが用いられ、他薬と配合してのみやすく緩和にし、作用を増強する。急迫症状の胃ケイレン、咽喉炎などに甘草8gを水300ccで煎じ温服する。
[成分]  甘味物質はグリチルリジンで、6〜14%含有。その他グリシラマリン、フラボノイドのリキリチン、イソリキリチン、リキレトサイドなど、またマンニット、アスパラギン、ブドウ糖、蔗糖、クンニンなどを含む。
[栽培]  種子をまいて4〜5年で収穫。排水良好な柔らかい土地がよい。株分け根分けで植え付ける。