【オオツズラフジ】
(漢防己) ツズラフジ科

 山林中自生のつる性落葉植物、茎長く、木質で円柱形。葉は互生し長柄、無毛、雌雄異株。夏、淡緑色小花を円錐花序に開く、果実半月形で黒熟する。オオツズラフジの名はこのつるでツズラを作ったによる。
[生薬]  漢防己:オオツズラフジの根やつるである。根茎不整円柱形径2〜4cm、外面暗褐色、コルクでおおわれ、内部は導管と髄線が放射状に配列し、車輪状菊花紋理をあらわす。茎は円筒形、外面褐色縦みぞといぼ状突起あり、断面は菊紋をなし質かたく苦味あり。
[薬用]  根やつるは消炎、鎮痛、利尿薬で神経痛、リウマチ関節炎などに根6〜9gを水600ccで煎じ1日2〜3回に分服する。
[成分]  根にアルカロイドのシノメニン、ジシノメニン、シナクチン、ツズラニン、アクツミン、マグノフロリン、イソシノメニンなど、その他ベータシトステロール、スチグマステロールなど含む。
[栽培]  肥えて多少湿気ある土地を好む。さし木または実生で行なう。さし木は春ざしで直径1cmぐらいの太さのもの3節に切り、水平に土中に伏せ先を地上に出す。ツユ頃先の芽展開しつるが伸び長くなるので、うす目の肥料を与える。