【ウルシ】
(乾漆) ウルシ科

 中央アジア高原の原産で、落葉高木。雌雄は異株で樹皮は羽状復葉で、小葉は長楕円形で葉先はとがる。初夏に小さな黄緑色の花を円錐状に開く。果実は扁平のソラマメ形である。漆をとるのに生掻法と殺掻法の2方法がある。
[生薬]  乾漆:6〜11月に樹液を集め乾燥させたもの。
[薬用]  乾漆:乾漆は通経、せき止め、駆虫薬に用いられ使用法は、乾漆の粉末1gを1日3回服用する。民間では、扁桃腺炎に乾漆を燃やして、その煙りを吸わせるとよいといわれている。
[栽培]  やや涼しい気候を好み、関東以北、以南では高地で栽培する。日あたりと排水のよい山の斜面を利用し、種をまいてから2年目の苗を植え付け、6〜7年肥料を施す。幹の径が20cm以上になれば、樹液の生漆を採集できる。種子は灰汁に浸して木蝋をとり除き、貯えて翌春にまく。