【ウツボグサ】
(夏枯草) シソ科

 山野に自生する多年草。茎は叢生し方形で細毛密生し、高さ15〜30cm、葉は有柄で対生し披針状長楕円形〜長卵形で粗鋸歯を有す。6〜7月茎頂に長さ2〜5cmの太い密な穂をあげ、紫色の唇形花を開く。
[生薬]  夏枯草:ウツボグサの花穂を乾燥したもの。花穂に多数の苞やがくがつき、円柱形麦穂状で長さ3〜6cm、幅1〜1.5cm、灰褐色で花軸、茎に毛があり軽質ほとんど無味無臭。
[薬用]  花穂は消炎・利尿薬で、腎臓病・はれもの・膀胱炎などに花穂5〜10gに甘草1gを加え水 600ccで煎じ1日3回分服。民間では打撲症に煎汁を塗布するとよいという。
[成分]  トリテルペン系のウルソール酸を含む。その他無機塩 3.5%含み、そのうちカリウム塩が約70%である。
[薬理]  多量のカリウム塩を含み、煎液を家兎の静脈に注射すると血圧下降し、呼吸運動増大し、著しい利尿作用を示す。