【ウスバサイシン】
(細辛) ウマノスズクサ科

 山間の樹陰地に自生の多年草。冬に枯れ春地に接して長柄を有する2枚の葉を左右に開く。葉は5〜8cm、卵円形で先はとがり、うすく滑らかでつやはなく緑色、裏面淡緑色、花は葉を開く少し前に2枚の葉の間から淡汚紅紫色の1花を開く。


[生薬]  細辛:ウスバサイシンの根で、短い根茎から多数の細い副根を出し、長さ10〜20cm、径約1mm。外面淡褐色〜褐色。浅いしわがあり、折れ易く、断面は黄白色。特異の芳香があり、辛くて舌を麻痺させる。
[薬用]  根は鎮痛、鎮痙、利尿、せき止めの薬として、かぜ、気管支炎、せき、頭痛、胸満、胸痛、利尿など虚証の人の水毒を去るために根4gに五味子10gをまぜ水7〜800ccで煎じ1日3回分服する。
[成分]  精油2〜3%含み、その中、66%はメチルオイゲノールで、その他オイゲノール、サフロール、オイカルボン、リモーネン、アサリニンなどを含む。
[栽培]  夏、冷涼な木陰が最適地である。そして排水のよい植壌土で腐葉土の多い所を好む。寒さに強く、栽培は比較的容易。繁殖は春また秋の彼岸のころ株分けする。実生もよい。