【イチョウ】
(銀杏) イチョウ科

 中国原産で各地に栽培される落葉大高木。葉は長柄有り、互生、短枝でむらがっている。葉形は扇形で葉先は波形で雌雄異株で花は4月新葉とともに開き、雄花は尾状花序、雌花は有梗で1〜2個つける。果実は球形で黄熟する。


[生薬]  銀杏:イチョウの種子。楕円形で2〜3稜有し、種皮かたく白色、中に淡黄色の仁を有し、質柔らかく味は緩和で油様。
[薬用]  種子はせき止め、去たん、強壮に6〜7個を火で焙って食用にする。しもやけに葉の煎汁で温罨法する。高血圧、動脈硬化症に葉10gを水6〜800ccで煎じ1日3回に分服する。葉を本にはさんでおくと防虫になる。
[成分]  果実の肉質部にギンナン酸、ビロボール、ギンノール、アスパラギン等を含み、種子にはデンプン67.6%、タンパク13%、脂肪 2.9%、ミネラル 3.4%等でミネラル中にマンガンを含む。葉にギンノール、ノナコサン、ギンクゲチン、シキミ酸を、心材にセサミン、ビロバンなどを含有する。
[栽培]  初冬に種子をまくと翌年5月発芽。9月に掘り上げ根の先をきり、堆肥、油カスを元肥として植えかえ翌1年で1m以上になる。小さいもの、つぎ木とし翌春2月雌株枝を穂として切りつぎする。挿し木でもよくつく、水湿地では土地を乾かすとか火災に会うと水を吹くとかいい神社、寺などに植えられる。