【アカヤジオウ】
(地黄・ジオウ) ゴマノハグサ科

 中国原産の多年草。各地で薬用として栽培される。根茎は黄赤色で地中を横に長く這い、根葉は根ぎわに群生、茎葉互生し、全株短毛密生。初夏には15〜30cmの花茎をあげ紫紅色唇形花を開く。その生の根が水に全部、沈む物を地黄と称し、薬用に地黄が最も効果がある。

[生薬] ○乾地黄(カンジオウ)  根をそのまま乾燥したもの。神農本草経上品では単なる乾燥でなく、何らかの修治法によると思われる。
○熟地黄(ジュクジオウ)  根を蒸して乾燥したもの。外面漆黒のものが良質。
[薬用]  地黄は補血、強壮、鎮静、解熱薬として貧血、下血、子宮出血などに、1日5〜10gを水500ccで煎じ1日3回に分服。生地黄(ショウジオウ)は生の根であるが、ジュースにして止血、抗炎症作用が強く、婦人の血がとまらないとき、下血、吐血、駆於血などに用いられる。
[成分]  根には黒変する物質として、イリドイド系のカタルボールのほかマンニトール、糖などを含有する。
[栽培]  前年、秋に掘り上げた根を春に植え付ける。浅く斜めにして先を少し地上に出して植え込む。収穫はその年の11月頃から翌年1月に掘り上げる。