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秋は、冬眠を目前にしたクマが、食べ物を求めて1年の中で最も活発に行動します。市民の皆さん一人一人が対策を行い、被害を未然に防ぎましょう。

昨年は、冬眠前のクマの主食であるブナやミズナラなどのドングリ類が凶作・不作だったことにより、10~11月に食べ物を求めて山を下りたクマが、山の麓の集落だけでなく、平地の市街地などでも多数目撃されました。
今年は、クマの冬眠明けの春先から、海に近い地域の住宅街をはじめ、例年になく広範囲での出没が確認されています。また、今年の1~7月末時点の目撃情報件数は、平年の同期間の件数を上回っています。
このような状況から、市内のどの場所でもクマに出会う可能性があると考えられます。散歩や買い物などの外出時は、これまで以上に注意が必要です。

人里や市街地でクマの出没が増えている理由は、いくつかの要因がありますが、過疎化・高齢化などによる中山間地の里山の荒廃が特に大きく影響していると思います。
かつて中山間地の里山では、小川やため池を活用して田畑を耕し、周囲の下草刈りや落ち葉かきなどが行われ、燃料としての炭を得るために樹木の伐採が定期的に繰り返され、光が差し込む雑木林が存在していました。人の営みのある里山は「警戒心の強いクマが近寄りにくい緩衝地帯」となっていましたが、人の活動が減少した里山では植物が生い茂り、この茂みをクマが好んで移動し、人の生活圏のすぐそばまで行動域を広げつつあります。

人の生活圏では農作物が栽培され、「おいしい食べものがたくさんある」ことをクマが覚え、度々出没することがあります。さらに、エサを求めて河川敷の藪に身を隠しながら移動し、山から遠く離れた平地の市街地や海岸近くまでやってくるケースもあるようです。
人とクマの「生活の緩衝地帯」としての役割を担っていた里山ですが、人の生活がこれだけ変化した今となってはその環境を取り戻すことは困難です。
まずは、今できることとして、クマが生息できる森の環境を保全しながら、クマと人の生活圏を隔てる「ゾーン分け」を、市民の皆さんと行政や企業などが共に考えていくことが必要です。市が行っているAIカメラを活用し防災無線で出没を知らせる仕組みの構築をはじめとした、クマの出没に備える新たな対策を講じる必要もあるでしょう。市民の皆さんは、クマのエサとなるものを屋外に放置しないなど、クマが身近に出没しにくい環境づくりを進め、上手く共存していくことがこれからの時代、重要なのだと思います。
柿の木に登るクマ

建物に潜むクマ
人間が急に走ったり、驚いて大きな声をあげたりするとクマも驚いて、身を守ろうと襲ってくる恐れがあります。状況に応じて適切な対応を心がけましょう。入山時はヘルメットやクマ撃退スプレーなどを携行すると、もしもの時の備えになります。
森林政策課 野原主任

クマがこちらの存在に気づいた場合は、クマを刺激しないように静かにゆっくりと後退し、退避しましょう。
クマは、人が背中を向けて逃げると追いかけてくる習性があります。必ず、クマの方を向いたまま退避することを心がけましょう。

至近距離で出会うと、クマも驚いて身を守るため襲ってくることがあります。被害を最小限に食い止めるため、すぐにうつ伏せになり、頭部や頸部を守る防御態勢をとってください。クマ撃退スプレーを携行している場合は使用しましょう。

森林政策課
( 平 日 )電話:076-443-2019
(夜間・休日)電話:076-431-6111
農林事務所 農地林務課
(終日)電話:076-468-2171
クマ対策による人身被害を防止するには、地域住民の方々が主体的にクマの出没しにくい環境を整備することが重要です。市では、自治振興会単位で行うクマ対策に要する経費の一部を支援しています。
車両による警戒パトロール活動に係る経費に補助します。パトロールは地域住民の意識啓発になるほか、クマの姿やフン・足跡などの痕跡を発見したときは、いち早く市や地域住民に共有でき、被害防止につながります。
車両での警戒パトロールに要する経費
パトロール1日あたり 1,000円
果実が収穫されないまま放置された柿の木などを伐採することで、エサ場としての魅力をなくし、クマ出没を抑制できます。なお、大きく育った果樹の伐採は、危険が伴うため、地域で協力し、複数人で対応するようにしましょう。
果樹の伐採に要する経費
果樹1本の伐採につき 7,500円
※業者委託の場合は実費。ただし、要事前相談。
写真提供:庵谷自治会
川沿いや手入れされていない土地の藪は、クマが身を隠しながら移動できる格好の場所です。特に川沿いの藪は長距離の移動につながります。藪を刈り払い見通しの良い環境を作ることで、クマの行動範囲を狭めましょう。
クマ出没対策のための草刈作業に要する経費
1アール(100m²)あたり 2,000円

多くの方は、日常でクマの痕跡を目撃する機会はほとんどありません。下の写真にある痕跡に、いち早く気づくことで、クマと出会う確率を下げることができます。
▲フンの色と形は、食べ物や体調によって変わる(概ね直径5cm以上)。
▲5本指で爪あとや肉球の跡がつくのが特徴。足跡は前足と後ろ足で異なる。
▲木に登る時につくことが多い。深々とした爪あとが残る。
▲木の上で、枝先にある実を食べるときにできる。折れた枝が集まっている。
自身や身近な人がクマの被害に遭わないよう、市民の皆さん一人一人がクマへの理解を深め、今回紹介したさまざまな対策にご協力をお願いします。
