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富山市は、平成26年にANAグループと連携協定を締結し、市の魅力を発信するための様々な取り組みを実施しています。その一環として、ANAのCAが富山市(広報課)に「富山市地域づくりマネージャー」として駐在し、市の魅力発信やイメージアップを図るために活動しています。5代目の地域づくりマネージャーは、初の富山県出身者。この3月で2年の任期を終える竹村さんへのインタビューを掲載します。
赴任が決まったとき、最初に思ったのは「やったー!富山に帰れる!」でした。私はもともと地元が嫌になって出ていったというわけではなく、むしろANAの勤務中もうっかり方言が出てしまうほど(笑)、「富山」は自分にとっての大切なアイデンティティーでした。ただ、社会人になって国内外を巡ったり先輩CAから世界の都市の様々な特徴を伺ったりしている中で、富山のいろいろな側面を客観的に見ることができるようになりました。正直に言うと富山の良さはまだまだ外の人に知られているとは言えず、「何があるの?そもそもどこにあるの?」などと言われ悔しい思いをしたことも一度や二度ではありません。こんなにいいところなのに!
そんな悔しい思いをバネにして、「地域づくりマネージャーになったからには、富山のために自分ができることをできるだけやってみたい」そう決意してこの地に降り立ったのが令和5年3月末。その日は雲一つない青空に雄大な稜線が映える最高の立山日和でした。そんな立山連峰に強く背中を押され、私の(あっという間の)2年間がスタートしたのでした。
地域づくりマネージャーのミッションは「市の魅力を市内外の方々に広く知ってもらうこと」。CAとしての国内外での経験を生かし、自ら前に立ってPRする一方、企画立案や資料作成などの裏方もこなしました。
竹村さんの様々な活動はこちらをご覧ください▶
年間の活動のうち最も大きなものが、羽田空港でのスペシャルイベント。羽田空港の展望デッキで開催されたイベントでは、トークショーやオーケストラ演奏、地場産食材を使った試食会、物産販売などを通じて、5,000人を超える多くの方々が様々な富山を満喫されていました。
竹村さんは企画、出演者交渉、予算管理、当日の進行管理など多岐にわたる業務に携わり、特に当日のトークショーでは、富山市出身の作家山内マリコさんや富山えごまPR大使のパークマンサーさんを相手に堂々とトークMCを務めました。
市内に住んでいる人に富山の良さを改めて知ってもらうことも大切なミッション。特に「食」を通じて魅力を感じてもらうことを狙って市内で行ったイベントでは、ANA総料理長の清水誠シェフを招いた地場産食材メニューの実演会や寿司握りチャレンジなどの特別な体験を通じて、富山が実は「豊かで恵まれた場所」ということを広く発信しました。
世界的にも高いホスピタリティ(おもてなしの心)を誇るANAでの経験を生かし市職員などを対象とした「おもてなし講座」「マナー講座」の講師も務めました。特に小中学生を対象とした講座では、世界に羽ばたく先輩として「目の前のことに全力で取り組むことが、夢の実現への一歩」などと優しく語りかけていました。
PRするにはまずは自分が知らなければ!そう思って始めたのがブログ「CA、富山に帰るちゃ」です(※)。ブログでは身近なものから特別な体験まで、時には体当たりで取材しましたが、中でも印象深かったのが「ホタルイカ漁」です。代表的な名産として知っているつもりでしたが、実際の漁に同行させていただくことで、定置網の仕組みや作業の過酷さを身をもって体験し、改めて身近に食べられることへの感謝の想いが深まりました。
その日は時期一番の豊漁だったこともあり、お土産に袋いっぱいのホタルイカをいただきました(深夜0時に集合した甲斐かいがありました!)。帰って眠気をこらえながら作ったホタルイカたっぷりの炊き込みご飯は、一生忘れられない味になりました。
(※)下記にブログ記事の一部を掲載しています。
小学生ぶりのスキー体験に大興奮!「雪なんて迷惑」と思う方も多いかもしれませんが、雪と山を身近に楽しめるというのは世界的に見てもぜいたくなんですよ。初挑戦のかんじきで歩く山麓の森林にも癒されました~。
地元にいても実はほとんど行ったことのなかった「回らないお寿司」。回転寿司も大好きですが、大将が丹精込めて握ってくれるお寿司はやっぱり格別!当日の漁によってオススメが変わるのも魚種の豊富な「すしのまちとやま」ならでは。
「ガラスの街とやま」のルーツが「富山のくすり」にあったと知ってビックリ!吹きガラス作り体験ではスタッフさんが優しく教えてくれて芸術的な器が完成(自画自賛!)。フルーツを入れるだけで高級感あふれるスイーツの完成です。
全国的な知名度と人気を誇るます寿し。特別にます寿し作りを見学させていただき、その丁寧な仕事に圧倒されました。その後、広報課職員で銘柄を隠して行った食べ比べでは見事に好みがバラバラ(仲はいいんですよ)。ちなみに私はレア感の高います寿しが好みです。
赴任当初は戸惑いの連続でしたが、上司や仲間の助けもあって自分のできることは精一杯やりきった気持ちです。特に2年目からは街で声を掛けていただいたり、私のブログを見て富山に訪れてくださる方がおられたりと、手ごたえを感じられることが多くなりました。羽田空港のイベントにも沢山の方にお越しいただきその後ANAの同僚たちが富山市を訪問するなど、魅力発信の一助を担えたのではないかと思います。
心残りがあるとすれば、市内にお住まいの方がまだまだ地元の魅力に気づいていないと感じることです(私自身もそうでした)。改めて外からの視点で見てみると実は富山は宝物でいっぱいです。ぜひ自信をもって愛を叫んでください!(よければ私のブログも参考にしてくださいね)
難しい質問ですね(笑)ただ、私自身、富山に対する印象が、学生時代と社会人になってからとで違っていて、もちろん「好き」なのですが、今は「富山が嫌だ」と出ていく若者の気持ちも少し分かる気がするんです。若い人は束縛や干渉を嫌う傾向があるので、もしかしたら富山人の美徳でもある「真面目さ」や「堅実さ」を、窮屈に感じる人もいるのかもしれません。また、「都会と比べて何もない」と決めつけてしまうのも実はそのような真面目さからくるのかな、と思うことがあります。
若い人達に「住み続けてもいいかも」「帰ってきてもいいかも」と思ってもらえるためにも、まずは富山の人が地元を良く知って、それを次世代に伝えつつ、“やわやわ”と見守るというのがちょうどいいのかもしれません。