本特集では、富山市が取り組む国際連携事業について紹介します。
富山市内の企業と連携し、ユネスコの世界文化遺産であるジャティルウィ村の棚田群の用水路に、4基の小水力発電システムを設置しました(2017年11月)。
水車の設置を喜ぶ現地住人
発電された電力は、200本の街灯などに使用されています。
環境分野における協力を目的として、水車と太陽光パネルを組み合わせたハイブリッド型小水力発電設備が、富山市内の企業の施工により同州ポンティアン郡の国立公園内に完成しました(2018年2月)。
現地での完成式
発電された電力は、公園内の管理施設に使用されています。
温室効果ガス削減のため、公共バス72台のディーゼルエンジンを天然ガスでも走行可能なハイブリッドエンジンに改造するプロジェクトを、富山市内の企業と連携して完成させました(2019年1月)。
現地での完成式
改造されたバスは、最大約40%のCO₂削減が期待されます。
慢性的な農業用水不足解消のため、太陽光発電を活用した揚水ポンプ設備の導入プロジェクトを国立ウダヤナ大学と連携して実施し、富山市内の企業の施工により運転を開始しました(2020年1月)。
現地での運転開始式
米の生産量増加や農家の所得向上が期待されます。
※諸外国におけるこれらの国際連携事業は、現地国の資金や環境省・経済産業省・国際協力機構(JICA)の資金援助を受けて実施されています。
WEBサイト
バリ島の世界遺産に光をともす!?知られざる【富山の技術】の正体とは!
各地で活躍する「富山」を調査しているペロリッチが、日本を飛び出しバリ島へ!
富山の技術が活かされている小水力発電を調査したオリジナルムービーを、WEBサイトで公開中です。
市立探偵ペロリッチ
©TOYAMACITY/DLE
諸外国と都市間連携を進め、富山市の環境施策や富山市内の企業が持つ技術を国際的に認知・展開されることは、開発途上国の経済成長や生活の質の向上に貢献しています。
また、国際的な信用の高まりは、シビックプライド(わがまちへの愛着や誇り)の醸成につながり、富山市内の企業の海外進出による事業の拡大は、雇用機会の増加や経済への波及効果が期待されます。
富山市の取り組みが高く評価され、日本の自治体として初めて、インドネシア政府から感謝状が贈られました(2018年9月)。
富山市の取り組みに関心を持ったモルディブ共和国大使が本市を訪問し、森市長と意見交換を行いました(2020年1月)。
外務省の政府開発援助(ODA)※の啓発イベントでは、富山市内の企業の海外での取り組みが紹介されました(2020年2月)。
2019年4月、富山市が協力協定を締結しているインドネシア共和国の国立ウダヤナ大学の卒業生を、富山市内の企業2社が正規社員として雇用することを発表しました。
ウダヤナ大学とは、インドネシア共和国タバナン県の小水力発電システム導入プロジェクトでさまざまな関わりが生まれ、人材開発を目指す同大学と海外進出を目指す富山市内の企業のマッチングにより、雇用が実現しました。
国際連携は、現地に対する技術提供だけでなく、大学や民間企業などにさまざまな効果が広がることで、人と人とを結び付けています。
マヘンドラさん
社内では、給排水衛生設備の図面作成や施工に関わっています。同じチームやほかの社員と協力して一緒に仕事をしているときが楽しいです。
富山市は、市電やバスでまちなかや少し遠い場所へも出掛けられて便利だと感じます。
クリスナさん
自分が学んだ電気設備のスキルを活かせる仕事を任されたときはうれしいです。今後は再生エネルギーなどに関わる仕事もしてみたいと思っています。
富山市はごみが落ちていなくて、きれいで住みやすい町だと思います。
「SDGs」は、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略で、「貧困の撲滅」「教育の向上」「エネルギーの有効活用」「気候変動対策」など、2030年までの達成を目指した17の目標です。
「SDGs未来都市」に選定されている富山市は、環境先進都市として脱炭素社会の形成を推進する役割を担っています。今後も諸外国の都市や地域と、環境分野における協力や意見交換を進めていきます。