|
庄川の上流、砺波市金屋地内からは、良質な緑色凝灰岩として知られる「金屋石」が産出します。この石は、天保年間(1830から1844)頃より採掘が開始され、現在庄川右岸岸壁に採掘坑口が見えます。かつてはこの上流のダム湖内にも別の石切場が存在した可能性があります。 |
 |
庄川右岸の金屋石採掘坑口 |
(左岸側から 矢印は坑口位置) |
|
|
金屋石は、金沢辰巳用水や越中十二貫野用水の導水管(樋石)に使用されたことは、文献にも残っており、富山を代表するブランド石としてよく知られています。金沢城内や兼六園、尾山神社境内に残る導水管は、庄川金屋から切り出された金屋石とされています。県西部に分布する石仏や石塔台座の多くはこの金屋石です。 |
肉眼観察では、褐色化した鉄分ブロックを点状に含むことがわかり、他の凝灰岩と異なる大きな特徴といえます。 |
 |
 |
滑川市内展示十二貫野用水導水管 |
金沢尾山神社境内展示導水管 |
|
|
帯磁率計測は、19件34石を行いました。全範囲計測値は、10から85×10-5SIで、約90%が15から45×10-5SIに集中します。このほか一部55から75×10-5SIがありました。金屋石のバラエティと捉えておきます。現在金屋石にはいろいろな通称があるようですので、産出場所によって石質が少しずつ異なると言われています。 |
(古川) |
|