史跡 王塚・千坊山遺跡群の概要
富山湾から約12キロメートル内陸に入った井田川・山田川合流域にある羽根(はね)丘陵、富崎(とみさき)丘陵に分布し、弥生時代後期末から古墳時代前期(約1800年から1700年前)の遺跡7ヶ所で構成されています。

 史跡には、弥生集落のほか、日本海沿岸交流を物語る山陰系の四隅突出型(よすみとっしゅつがた)墳丘墓、前方後方墳への過渡期の墳丘形態を示す前方後方形墳丘墓、越中を代表する大型前方後方墳、17基からなる大規模な古墳群などの多彩な墳墓があります。

史跡は、弥生時代から古墳時代へと移り変わる激動の時代における地域間交流(山陰・東海・畿内など)や、ムラの出現から首長誕生までの過程を、墳墓・集落の両面から具体的に知ることができる貴重な資料であり、北陸における地域国家の成立を考える上で重要です。
史跡王塚・千坊山遺跡群の位置

遺跡名 史跡面積
(平方メートル)
種別 時代
1 千坊山(せんぼうやま)遺跡 45,654 集落 弥生時代終末期
2 六治古塚(ろくじこづか)墳墓 2,490 四隅突出型墳丘墓 弥生時代終末期
3 富崎(とみさき)墳墓群
(1・2・3号墓)
8,118 四隅突出型墳丘墓 弥生時代後期末から終末期
4 向野塚(むかいのづか)墳墓 1,896 前方後方形墳丘墓 弥生時代終末期
5 王塚(おうづか)古墳 2,452 前方後方墳 古墳時代前期
6 勅使塚(ちょくしづか)古墳 22,617 前方後方墳 古墳時代前期
7 富崎千里(とみさきちさと)古墳群
(南群)
27,651 古墳群 古墳時代前期
合計 7ヶ所 110,878