(1)1970・71年の調査 (富山県教育委員会 調査)

1. 調査概要

富山県教育委員会によって白石用水路及び新鍛治川承水路新設工事に先立ち発掘調査が行われました。

図1の【A地点】では、幅約50mに及ぶ貝層が確認されました。貝層の深さは1mを越す深さが確認され、その層からは骨角器、土器、石器類が出土しました。その上層に砂層が確認され、古墳時代の冠水(氾濫)を示しています。

【A地点】の南約60mの【B地点】では、約20cmから5cmの大量の土器を含む層が確認され、一部で少量の骨片や貝殻細片も認められました。

【A地点】と【B地点】の間には基盤層の高台が認められ、この高台を囲むように貝層【A地点】と土器廃棄場【B地点】が認められ、全体像としてほぼ馬蹄形を呈する可能性が高いです。

【A地点】の貝層の中からは、1体の人骨が発見されました(図2)。いわゆる屈葬の状態で埋葬されていました。頸部及び頭部は工事の際に取り去られていて、発見できませんでした。
(堀内)
図1 小竹貝塚周辺図 図2 屈葬人骨出土図
図1 小竹貝塚周辺図 図2 屈葬人骨出土図
富山県教育委員会1972年 『富山県埋蔵文化財調査報告書U』 より