弥生時代後期から終末期の遺構(1)
 
平成24年度に北陸新幹線建設に伴う道水路付替工事に先立ち調査を行いました。調査区は富山県文化振興財団埋蔵文化財事務所が調査したB地区(以下、財団B地区)南東端の南側に位置しています。 調査区位置図
調査区位置図
 
調査では、弥生時代の溝を検出し、猫橋式(後期初頭、約1900年前)や白江式(終末期、約1700年前)に帰属する弥生土器が出土しました。
土器とともに多量の木製品(盾・鍬未製品・板・棒など)も出土し、その中でも、木盾は、九州に起源を持つ紐列式木盾の出土例としては日本列島最北域の出土、かつ県内最古の出土例です。
関連項目考古学NOW「組列式木盾」
溝に堆積した当時の土壌には、イネ籾殻や水田に生える雑草が含まれており、鍬未成品が出土することからも、弥生時代後期前半にはこの地で水田耕作が行われていたと考えられます。
(堀内)
弥生時代の溝検出状況 木製品出土状況
弥生時代の溝検出状況 木製品出土状況