石ぞく 
 
石ぞく
弓矢の先端につけられた矢じりです。ガラス質の黒曜石こくようせきのほか、チャートや鉄石英てつせきえいなどのうすい破片に細かな加工をして形を整えています。先端のとがった三角形やハート型のものが多くみられます。
弓矢は敏捷びんしょうなシカやイノシシ、ウサギなどの小動物や鳥をつかまえるための大事な狩りの道具でした。
 
 
 
黒曜石
黒曜石は、天然の火山ガラスで、大変切れ味が良く、矢じりやナイフ(肉などを切るもの)を作る材料として、縄文人は好んで利用しました。国内では約70か所の原産地が確認されています。
県内では魚津市大菅沼周辺で黒曜石が産出します。縄文時代には県内一円で石器の材料として使われていました。
北代遺跡をはじめ県内の縄文時代の遺跡では、主に長野県の霧が峰きりがみね産の黒曜石が使われました。次いで、霧が峰に近い和田峠わだとうげ産のものが多く確認されています。最近の分析では、高原山産の黒曜石が確認されました。
縄文時代以前の旧石器時代には、480kmも離れた青森県深浦産の黒曜石も使われていました。このように、黒曜石やヒスイなど、よく利用される石材は何百kmもの広い範囲で流通しました。縄文人の行動の広さは、現代の私たちが想像する以上だったようです。