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境野新遺跡
保存された竪穴住居跡 |
(富山地域) |
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呉羽丘陵の南西端(標高約60mから70m)のさらに南西に、境野新扇状地があります。境野新遺跡は、境野新扇状地扇頂の一端に営まれています。前面(北方)には漸次下降していく射水平野を一望に見わたせます。 |
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境野新遺跡では、県内では珍しい古墳時代中期(5世紀前葉)の竪穴住居跡2軒が、工事中に見つかりました。うち1軒は火災で焼け落ちた土屋根の住居でした。多くの関係者のご協力のもと、住居跡は現地で保存されています。 |
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左上の写真は第1号住居跡を掘りあげた時の写真です。地面を掘り下げた約25畳の四角い住居です。右上の写真のように、炭化した屋根材(垂木)の一部が床面近くに残っていました。これは屋根に被せられていた土が屋根材を覆って不完全燃焼となったため、残ったと考えられます。また、壁際の溝が埋まった後に屋根材が落下していたことから、空き家となってしばらくしてから焼却処分をしたようです。住居の焼却処分は、土屋根を安全に解体するための手段でした。 |
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竪穴内では下の写真のように土器が出土しました。第1号住居で使われていた土器の一部です。また、屋根が崩れ落ちてできた窪地にも壊れた土器等が捨てられていました。10mほど南には同時期の第2号住居が確認されているため、おそらくそこで使用済みとなった土器を、捨て場となった第1号住居に捨てていたと思われます。 |
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関連書籍(表紙をクリックすると全国遺跡報告総覧のホームページが開きます) |
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富山市教育委員会 2000
『境野新遺跡・向野池遺跡』 |
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