北代村巻Xきただいむらまきご遺跡

溝で囲まれた鎌倉時代の屋敷地
(富山地域)
北代村巻X遺跡は、呉羽丘陵くれはきゅうりょうの西麓、標高約15mの台地上に立地します。平成20年度と25年度に調査を行いました。

平成20年度の調査では、南北方向の鎌倉時代の溝(幅約2m、深さ0.8mから1.2m)が2条見つかりました。

隣接する平成25年度調査でも南北方向とそれに直交する東西方向の溝(幅1.3mから1.4m、深さ0.5から0.8m)が見つかりました。
直交する区画溝(平成25年度調査)
直交する区画溝(平成25年度調査)
   
両調査区で確認した溝は、屋敷地の周りを区画する溝と考えられ、1つの区画の規模は東西約22mと推定できます。

溝は調査区の外へも延びていることから、同じような区画された屋敷地が西側・東側にも存在し、複数の屋敷地が並んでいたと考えられます。

本遺跡の北東約800mの平野部にある八町はっちょうU遺跡にも、同様の区画溝をもつ大規模な集落があります。

北代村巻X遺跡は八町U遺跡の付属的な集落と考えられます。
区画溝の推定
区画溝の推定
 
 
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『富山市内遺跡発掘調査概要]T』