知って安心。わたしたちの暮らしとアスベスト

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ページ番号1008079  更新日 2023年2月9日

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最近、アスベストによる健康被害が深刻な社会問題になっています。
アスベスト(石綿)は、存在そのものが直ちに問題になるのではなく、アスベストの繊維が飛び散ることや、それを吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで、吸い込みの予防や飛散防止、適正な処理などが図られています。
ここでは、私たちの暮らしの中に、今なお多く存在するアスベストの現状と、市や県・国の対策、身近な対処法などをご紹介します。

アスベストとは

写真:10円硬貨とアスベスト原石
天然のアスベスト原石
(写真左の10円硬貨は、大きさを比較するためのものです)

アスベスト(石綿)は、天然の鉱物です。安価で薬品や温度変化に強いので、以前は、さまざまな建築工事で、保温断熱材などとしてアスベストを吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止されました。
その後も、自動車のブレーキ部品や特殊な耐熱材などに使用されましたが、現在では、原則として製造は禁止されています。

アスベストが原因で発症する病気は

アスベストの繊維は、肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています。
アスベストによる健康被害は、アスベストを扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、悪性中皮腫は平均35年前後の潜伏期間のあと発病することが多いとされています。
仕事でアスベストを扱っている方、または扱っていた方は、アスベストを扱う機会が多いので、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
現に仕事で扱っている方の健康診断は、事業主にその実施義務があります。

イラスト:人体
アスベストによって起こるとされる病気とその部位

アスベストが原因で発症する病気の兆候は

  • 息切れがひどくなった。横になると息が苦しい。
  • せきやたんが以前に比べて増えた。
  • たんの色が以前と変わった。たんに血液が混ざった。
  • 顔色が悪いと言われた。爪の色が紫色に見える。
  • 顔がはれぼったい。手足がむくむ。体重が急に増えた。
  • はげしい動悸がする。
  • 風邪をひいて、なかなか治らない。
  • 微熱が続く。高熱が出た。
  • 食欲がなくなった。急にやせた。やたらに眠い。

日常生活で、上のような症状が出てきたときは、最寄りの医師の診察を受けましょう。

市民病院では、内科の専門医によるアスベストに関する医療相談を実施しています

  • 開催日時 毎週(月曜日)、(火曜日)、(木曜日)の13時から14時(祝日を除く)
    ※1日4人までの予約制です。
  • 予約方法 電話で内科外来(電話076-422-1112 内線2028)へ予約してください。
  • 費用 相談のみの場合は無料です。検査などを実施した場合は実費をいただきます。

富山市民病院 電話076-422-1112

アスベストを扱う事業所で勤務していたが

職業歴にアスベストまたはアスベスト関連製品を取り扱う事業所などに従事していた可能性がありましたら、労働局や労働基準監督署で労災の相談を受け付けています。労災認定は退職された後であっても、受けることができます。業務上の疾病(労災)に認定されると、労災保険で治療できます。
離職の際または離職後の健康診断で、一定の所見(両肺野にアスベストによる不整形陰影があり、またはアスベストによる胸膜肥厚があること)が認められる場合には、住所地の(離職の際は、事業所のある)都道府県の労働局に健康管理手帳の申請・交付が受けられます。
この手帳が交付された方は、以後、指定医療機関で無料で定期的に健康診断を受けられます。この健康管理手帳の申請は、所属していた事業場が倒産などにより、今現在存在していなくても、申請することができます。
申請方法などの詳細は、労働局または労働基準監督署にお問い合わせください。
アスベストは建材やブレーキの部品など、多くの製品に使用されていたことから、職場で知らずにアスベストを吸い込んだ可能性もあります。また、アスベストによる健康障害は、潜伏期間が長い場合があります。
アスベストにさらされるような作業に従事されていたのであれば、1年に1回は胸部レントゲン撮影などによる健康診断を受診されることをおすすめします。
少しでも思い当たる場合は労働局や労働基準監督署などにご相談ください。

お問い合わせ

  • 富山労働局 電話番号 076-432-2727
  • 富山労働基準監督署 電話番号 076-432-9537
  • 富山産業保健推進センター 電話番号 076-444-6866
  • 富山労災病院(魚津市六郎丸) 電話番号 0765-24-6471
    (アスベスト疾患センター直通)
  • 商業労政課 電話番号 076-443-2183

家族がアスベストを扱う事業所に勤務していたが

アスベスト作業経験者の家族の方で、アスベストによる健康障害が懸念される症状が現れた場合は、早めに労災相談機関や専門医療機関などに、ご相談されることをおすすめします。

お問い合わせ

  • 富山産業保健推進センター 電話番号 076-444-6866
  • 富山市民病院 電話番号 076-422-1112

学校などのアスベスト対策は

写真:作業風景
学校施設でのアスベスト除去作業

学校施設などのアスベスト対策は、昭和62年度から取り組みが始まっていますが、文部科学省では改めて今年7月から小・中学校と幼稚園でアスベストの使用状況調査を進めています。
旧富山市では昨年度から調査を実施し、今年の夏休みまでに、一部の学校で除去工事を完了しました。工事にあたっては、関係法令などを厳守し、適切な処理が行われるよう徹底して指導・監督しています。

お問い合わせ 学校施設課 電話番号 076-443-2133

保育所などのアスベスト対策は

保育所・保育園については、ほかの公共施設と同じく、対策チームを編成し、アスベストの使用状況などの調査を実施しています。その結果、除去作業などが必要と判明した場合には、早急に対策を実施します。

お問い合わせ こども福祉課 電話番号 076-443-2059

わが家のアスベストの危険性は

建築物には、耐火被覆材、屋根材、壁材、天井材などにアスベストやアスベストを含んだセメントなどを板状に固めたスレートボードなどが使用されている可能性があります。
露出した状態の吹きつけアスベストが使用されている場合、劣化などで繊維が飛散するおそれがありますが、板状に固めたスレートボードや天井裏・壁の内部にある吹付けアスベストからは、通常の使用状態では室内に繊維が飛散する可能性は低いと考えられます。
吹き付けアスベストは、戸建て住宅では、ほとんど使用されていませんが、アパートやマンションなどでは、駐車場などに使用されている可能性があります。
販売業者や管理会社を通じて、建築時の工事・施工業者や建築士などにアスベストの使用の有無を問い合わせるなどの対応が考えられます。

お問い合わせ

  • 富山県計量協会 電話番号 076-422-1962
  • 建築指導課 電話番号 076-443-2107

近所で建物の解体をしているが、影響は

アスベストが使用された建築物などの解体作業などについては、次のような対策が義務づけられています。

  • 建築物にアスベスト使用の有無の事前調査を行う。
  • 作業担当者に、アスベストの有害性、粉じんの発散防止、保護具の使用方法などについて特別教育を行う。
  • アスベスト作業主任者を選任し、作業方法の決定、労働者の指揮などの業務を行わせる。
  • 粉じんが発生しないように建材などを湿らせるなどの作業基準を遵守させる。

さらに、次の措置が義務づけられています。

  • 解体作業などの開始14日前までに市長(富山市の場合)へ届け出る。
  • 高性能集じん装置の設置、作業現場と他の場所との隔離措置をとる。

作業現場でのアスベスト粉じんの発生・飛散防止措置は、近隣への汚染防止だけでなく、作業に携わる作業員の皆さんの健康に関わる重要な規則ですので、市では各現場でこれらの規則を厳守し、適切な工事・施工が行われるよう、指導しています。また、現場の立ち入り検査や作業敷地の境界でアスベスト濃度の測定を実施しています。

お問い合わせ

  • 富山労働基準監督署 電話番号 076-432-9537
  • 環境保全課 電話番号 076-443-2086

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このページに関するお問い合わせ

環境部 環境保全課
〒930-8510 富山市新桜町7番38号
電話番号:076-443-2086
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。