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 『日本農業新聞』に「女の階段」という読者の投稿欄がある。1967年から今日まで続いている歴史のある投稿欄なのだ。このコラムを創設した編集者は次のように(つづ)っている。農村生活をしながら、喜びや悲しみや苦しみを胸に秘めて、人生の階段を一歩一歩、上っている農家のお母さんたちの姿が目に浮かぶようだったので、「女の階段」というタイトルにした、と。そしてこの「女の階段」の50年間の投稿文を分析した「農家女性の戦後史」という書籍が出版されている。

 このコラムの初期の投稿者は敗戦直後に農家に嫁いだ女性たちであった。そこから読み取ることができる特徴を次のようにまとめることができると思う。女性農業者は、まず農業生産に従事する労働者であった。そして農家の嫁としての役割は農家の後継者を産み、育てることであった。農家であれ商家であれ、当時は家族が一つの経営体としての存在であった。その経営体の中で働きながら、家事も育児も介護も専一的に担いながら「女の階段」を上ってきたのがこの世代の女性たちであった。僕の90歳の母もまさにこの世代である。この世代の女性は、男女同権と言いながらも男性優位の時代の不条理さを感じながら生きてきたのである。

 その不条理さは少しずつ改善されながら時代は移ろってきたのだ。例えば僕の姉は僕より5歳上だが高卒で就職している。それが当たり前の時代だったのだ。僕の中学の同級生の女子の大学進学率はおそらく20%を下回っていたと思うが、最近のそれは50%を超えているというデータもある。その限りにおいて男性優位社会は少しずつ改善されてきているのだろう。しかし社会においても家庭においてもまだまだ機会や負担に男女間の偏重が残されていることも実態である。

 そのことは男女の差別の解消が進んでいると思われるアメリカ社会にあっても同様なのだと思わされる映画に出会った。全米で大ヒットしたドキュメンタリー映画の「RBG」がそれである。1993年に任命されて以降、現在まで女性の地位と権利の擁護のために闘い続ける85歳の現役最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグの生涯を辿(たど)っている作品だ。鑑賞をお勧めしたい。

 いずれにしても、性差による偏重を解消するための努力は不断に続けられなければならない。男性の家事労働時間や育児時間が長い国ほど出生率が高いというデータもある。男性の一人として自らのライフスタイルを謙虚に振り返ってみたいと思う。

 最近になって、潜在している問題として、夫の海外駐在に帯同する駐在妻が抱える課題について気付かされた。共働きが一般化した現代の社会であるのに、多くの駐在妻にとって夫に帯同することは自身のキャリアの中断を意味することになるという課題である。多くの企業が社員の海外駐在に妻の帯同を求めていることから生じる現象だ。

 この点について、富山市には配偶者同行休業という制度がある。市の職員が、外国で勤務する配偶者と生活を共にするために3年を限度として職務に従事しないことを可能にする制度である。3年以内に帰国すれば市職員として復職することになる。女性職員にとってキャリアの中断にならない良い制度であると思っていたが、今年度、ついにその制度を利用する第一号女性職員が誕生し、すでに海外に移住している。

 階段を一段上ったと言ってもいいのではなかろうか。




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