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現在位置:HOMEの中の観光・みどころの中の文化の中のガラスの街とやまからアーティストインタビュー 7

アーティストインタビュー 7

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第7回 小路口 力恵さん(ガラス作家)


自分が心地よく感じるモノって、おそらく一生変らないと思うんです


ガラスに興味を持ったきっかけは何ですか?

小路口さん<小路口>
 私は高校卒業後、富山市内のデザイン専門学校に入学してグラフィックの勉強をしていたんですが、ある時に一枚のコンパネから組立椅子を作るという課題があって、そのときに初めて、最初から最後まで自分の手でモノづくりをするという経験をしたんです。それがきっかけで、漠然となんですが、何でもいいから自分の手で創り出したいなあ、と思ったんです。
 そのうち進路を決める時期になって、実は当時は写真にも興味があったものですから、一応先生の紹介で写真スタジオに面接に行ったりもしたんですが、「何か違うなあ」と思って(笑)。そんな時期に、幼い頃に見た能登島での吹きガラスの事が思い浮かび、フラッと富山ガラス工房へ立ち寄ったんです。

 そこで制作風景を見て、ガラスが自由に形を変えていく様子に感動して・・・。富山ガラス造形研究所は、入学金、授業料が安く、自分で何とか準備できる金額だったので、専門学校を卒業してから1年間、アルバイトをしながらデッサンの勉強をして入学できたんです。



個人作家として活動を始めてから、特に苦労している点はなんですか?

<小路口>
 そうですね・・。まず、私は個人作家として独立しようとする時、周りの皆さんに比べてかなり楽をさせていただいたと思うんです。古沢の個人工房に入居するときには、前の人が使っていた設備をそのまま引き継ぎましたし、土地自体も、当然自分で確保する必要がありませんでしたから。それでも、その後の維持管理を一人でやっていくのは、やはり大変だと実感しました。工房に所属していた時は、設備のメンテナンスはスタッフ全員でやっていて、そんな中で、わからないことがあれば、他のスタッフに聞くことができましたから。
 それから、融資を受けたりする際に、事業計画を作成したのですが、当然、見通しが甘い部分があったりして、当初の計画通りには進まないことが多いですし。もうガラスだけでやっていくのは無理だな、と諦めかけていた時期もありました。
「あわい」 14.0×14.0×14.0 cm 特許出願中

 でも、とにかくいろんな人たちに支えてもらって・・・。それで、何とか今日まで続けることができている感じです。
 でも、本当にちょっと前にも「この先どうしよう?」と思っていたんですよ(笑)。それが運良く最近、まとまった注文が入って・・・。そんなふうに、個人で活動していると、まったく仕事のない時期と、まとめて仕事がある時期が、波のように訪れるんですね。結局それをどう調整して、採算を取っていくか、ということだろうと思います。確かに大変なことなんですが、ふと振り返ると、そんな状況を何とかやり繰りしながら、個人で作家活動をやっている自分に気がついて、なんだか不思議な充実感を覚えることもあります。



作品を制作する際に、特に意識していることはありますか?例えばこれまでの作品には、色があまり使われていませんが・・・?

「ふくら」 左 4.5×7.0×7.0 cm(ぐい呑) 右 5.5×7.0×7.0 cm(ペーパーウェイト)<小路口>
 実は私、色オンチなんです(笑)。自覚はないんですが、専門学校時代に「お前、色オンチだよなあ」と言われたことがあって・・・。それが未だにコンプレックスなんですよ。でも、色をあまり使わない本当の理由は、色彩よりもフォルムを見せたいからです。今思うと、専門学校時代、線をやたら気にしながらデザインをしていた気がします。どうしても色彩よりもフォルム、カタチを重視するみたいです。一つの作品の中に色彩とフォルムが同居していると、見る人はその両方に意識がいってしまうような気がするんです。私は何よりもまずカタチを見てもらいたいので、どうすればそれが見る人に伝わるかを考えているうちに、いつの間にか色数が減っていったのではないかと思います。
 それから、どの作品もそうですが、最終的には手に取ったり眺めたりして心地よく感じることができるモノを制作するように意識しています。タイトルも、耳に心地よい響きのモノを選んで付けていますし・・・。


そういえば、これまでの作品を見ると、複雑でコンセプチュアルなタイトルが少ないですね?ひらがなが多いですし・・・。

<小路口>
 漢字はそれ自体意味を持っていますよね?ですからタイトルに漢字を使ってしまうと、それだけで見る人のイメージが限定されてしまうような気がするんです。自分が苦労して制作した作品なので、タイトルは何かしら付けてやりたいんですが、だからといってあまりガチガチのタイトルを付けてしまうと、見る人の楽しみを奪ってしまうのではないかと思うんです。タイトルはあくまでも作品を見る時の補足であって、見る人が自由にイメージを膨らませることができるような、そんな作品を創り出せたらと思います。
小路口さん 2


富山で作家活動をすることのメリット、デメリットは何ですか?


「はつり」 6.0×5.0×5.0 cm<小路口>
 もともと私は富山の人間ですし、富山から出たことも一度もありません。誰でもそうだと思うんですが、やっぱり、自分の生まれ育った場所というのは好きですし、住んでいて非常に落ち着きます。富山が好きですから、たまに作品のタイトルにも富山弁を使ったりします。そういう環境で制作活動ができるというのがメリットですね。
 私はガラスを始めたときから、独立するなら富山で、と決めていました。それは今言ったことも理由にありますが、もう一つ、たまたま自分がガラスを始めたその街が、「ガラスの街とやま」として行政も力を入れていて、街全体でガラスを盛り上げようとしている、ということもあります。そんな中で、私もガラスを通して、自分の好きなこの街をいろいろなところに広めたい、と思ったんです。
 一方でデメリットですが、県外出身の人たちと比べて、私は富山出身で、いわば富山にしか拠点のない人間ですから、販路やコネクションを富山の外に広げていくのに時間がかかっているように思います。県外出身の人たちは、制作拠点が富山にある一方で、地元に帰れば、そこにも知り合いを中心にコネクションがありますから、販路を県外に広げやすいという強みがありますね。そのあたりは、少し不利に感じているというか、自分でこれから努力していかなければいけない部分だと思います。
 先ほど、自分の好きな富山という街を多くの人に知ってもらいたい、という話をしましたが、その意味では、県外でどんどん作家活動を展開していく必要性を感じています。


今後個人作家として、どのような作品を制作したいと考えていますか?

<小路口>
 そうですね・・・。作風は、これから先も大きく変わることはないと思います。以前は、何か今と違う、新しいものを創らなきゃ、と思っていた時期もあったんです。でもある人から、「新しいものを創るのではなく、今あるモノを極めなさい」とアドバイスされたことがあったんです。言われてみれば、確かにその通りかも知れないな、と。だから、これまで自分が生み出した作品を大事にして、そこから何か、少しずつ作風を広げていけばいいのではないか、と今は考えています。
 自分が心地良く感じるモノって、おそらく一生変わらないと思うんです。その気持ちに正直に作品を制作し続ければ、自然と作品が大きく様変わりすることもないと思います。もちろん、環境の変化などで自分の気持ちが変わっていくことはあると思いますが、とにかくその時点での自分の気持ち、自分の作品を大切にして、そこから一歩でも半歩でも前に進むことで、最終的に良い作品を生み出すことができればいいな、と思います。
「ふくら」 24.0×30.0×30.0 cm


(2009年6月、古沢の個人工房にて)
※本文中の敬称は略させていただきました


小路口 力恵
1972年富山県富山市生まれ。2000年富山ガラス造形研究所研究科修了。富山ガラス工房スタッフ、朝日ふるさと創造社なないろKAN硝子工房スタッフを経て、2005年に古沢の個人工房に「小路口屋」を設立。「日本現代ガラス展・能登島」金賞(2002)、「KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展」入選(2006、2009)、「工芸都市高岡クラフトコンペ」入選(2005、2006、2007、2008)、「ローマ賞典祭〜北陸の工芸・現代ガラス工芸展」シルヴィオ・ヴィータ賞など、国内外で入選・受賞歴多数。作品は石川県能登島ガラス美術館、富山市などに収蔵されている。

 
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