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現在位置:HOMEの中の観光・みどころの中の文化の中のガラスの街とやまからアーティストインタビュー 5

アーティストインタビュー 5

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第5回 佐野 猛・曜子さん(ガラス作家)


視野や人間性の幅が2倍になれば、それだけ作品の表現幅も広がりますね。


ガラスを始めたきっかけは何ですか?

佐野 猛さん<猛>
 僕は大学ではガラス以外のことを勉強していました。美術を専攻していたわけでもありません。自分が就職する時期になって、自分に合った仕事って何だろう?と考えた時に、まずは自分自身が楽しんで出来る仕事を選びたかったんです。なぜかというと、仕事というのは、人生の中でかなりのウェートを占めると思うんですね。1日で最も多く費やす時間は、仕事の時間なわけですから。自分は手でモノを作るのが好きなので、何かその様な仕事はないかと思っている時期に、たまたま都内のデパートで、ガラスの展覧会をやっていたんです。それを見てすごくガラスが気に入ってしまって、結局ガラス作家の道を選びました。手で物を作る仕事といえば、例えば陶芸なんかもそうですが、当時、ガラスは素材として、とても新鮮に映ったんです。

新しい素材ということもあって、古い伝統やしきたりに囚われないで制作ができるような気がしたのも、ガラスを選んだ理由のひとつです。

<曜子>
 私はもともと会社勤めをしていたんですが、趣味として楽しめる何かを見つけたい、と思ったのがきっかけです。ですから最初から、ガラス作家になろうと思っていたわけではありません。ガラス作家になろうと思ったのは、実際にガラスを始めて、かなり経ってからのことですね。


もしガラス作家にならなければ、何になっていたと思いますか?

<猛>
 あまり考えたことはありませんが、たぶん陶芸とか、家具作りとか、手作りの仕事に就いていたと思います。

<曜子>
 私は映画が好きなので、映画の配信会社に勤めていたかもしれませんね。
佐野 猛 「Pop rhythm」 2006年制作 W20 D20 H20(cm)

作家になる前に思っていたことと、実際に作家になってから経験したことで、これは予想外だった、違っていた、ということはありますか?

佐野 猛 「Solitude」 2007年制作 W13 D13 H33(cm)<曜子>
 作家として独立する前は、「自分たちの作ったモノだけで、自分たちの生活を成り立たせていく」ということが、果たして本当に出来るのかどうか、まったく予測できませんでした。ところが、今の時点であらためて振り返ると、意外に成り立つものだな、と・・・。(笑)

<猛>
 確かにそれは、今でも不思議でなりません。実際に、売り上げのマージンが例えば60%で、ガス代や材料費がいくらで・・・とか細かく計算してみると、少なくとも1ヶ月に何十万円は売らないといけない、という数字が出るんです。例えば50万円売らないといけないとなると、1個2〜3千円のコップを1ヶ月に何百個売れば、その金額に到達するか・・・・。実際にそんなに売れている実感がないので、本当に不思議です。もちろん売っているのはコップだけではありませんけど。こういったことは、作家として独立してから気がついた、いわば良い意味での誤算ですね。

お互いに個人の作家として、相手からインスピレーションを得たり、実際に影響を受けた部分というのはありますか?

<猛>
 作品のいうのは、自分の人間性や性格が、良い部分も悪い部分も、すべて反映されるものなんです。良い部分は、まあいいとして、特に悪い部分というのは、自分1人だとなかなか気づくことができません。作品自体についても、客観的に評価してくれる人、しかも素人ではなくプロの作家が側にいてくれるというのは、とても助かります。1人だと、下手をすると自分の作品の良い部分がどこなのか、ということ自体、気づかないことがあるんです。

<曜子>
 私も彼とまったく同じです。それと私の場合、作品の制作過程でいろいろな技術を使いますから、そうした細かい技術的な部分についてアドバイスをしてくれるのも心強いですね。
佐野 曜子さん

<猛>
 結局、自分が思っているほど、1人の人間性や視野の幅って、実際は広くないんです。1人だと、それになかなか気がつかない。2人になってみて、初めて気がつくことですね。視野や人間性の幅が2倍になれば、それだけ作品の表現幅も広がりますね。


お二人のコラボレーションによる作品、というのは過去にありましたか?また、今後はあり得るのでしょうか?

佐野 曜子 「陽の花」 2006年制作 W22 D18 H23(cm)<猛>
 実は過去に1、2回、試みたことがあったんですが、納得いかなかったというか・・・。それ以来、将来も含めて、やろうと思ったことはありません。もともと2人とも、異なるスタンスで作品を制作していますから、見た目も違いますし・・・。それを単純に組み合わせてみたところで、いったい何なんだ、みたいな・・・(笑)。2人の個性がうまく融合なり調和すれば話は別ですが、そんな簡単なものだとも思いませんし、それならば最初から別々に作品制作をしたほうが、いいのかなと思います。

<曜子>
 過去に制作したコラボレーション作品は、ほとんど何も考えずに、単純に2人の作品を組み合わせただけですから・・・。明らかに思慮が足りなかったと思います。

<猛>
 ただ、例えば2人の連名で1つの作品を制作する、というかたちでのコラボレーションはありませんが、1人が一方に、提案をすることはあります。もちろん、実際の制作は、提案を受けた側が1人でするわけですが・・・。片方のアイデアやイメージが、もう1人の作品に反映される、という意味では、これも一種のコラボレーションかもしれません。


今後、ガラス作家としてどのような作品を制作したいですか?

<猛>
 やはり、ガラスが素材として持っている美しさや面白さ、それが見る人にダイレクトに伝わるような、そんな作品を制作したいです。もちろん今でも、それを意図して制作していますが。今後はさらに、それを突き詰めていきたいですね。

<曜子>
 私は、目に見えるかたちでの理想の作品像というのは、実はないんです。それよりも、作品を制作する過程で過ぎていく、時間の積み重ねが好きというか・・・。時間の積み重ねとともに、刻一刻と表情を変えていくガラスを見るのが好きなんです。ですからこれからも、そうした時間を大切にしながら、それを続けたいです。
佐野 曜子 「薫風」 2007年制作 W26 D23 H14(cm)

<猛>
 今はいろいろな制約があって、1つの作品の制作に費やす時間は限られていますが、可能であればそういった制約から解放されて、思う存分時間を費やしながら作品を制作してみたいですね。


(2007年11月、富山市古沢のアトリエにて)


佐野 猛
1960年千葉県生まれ。'86年、東京ガラス工芸研究所卒業。'96年、オーストラリア国立大学キャンベラ美術学校ガラス科大学院修了。能登島ガラス工房スタッフなどを経て、'98年にGlass Studio SANOSANOを設立し独立。個人作家として全国各地の展覧会に数多く出品し、「第19回伝統工芸七部会展」文化庁長官賞、「国際ガラス展・金沢2007」審査員特別賞など、コンクールによる受賞も多数。

佐野 曜子
1962年東京都生まれ。'96年、オーストラリア国立大学キャンベラ美術学校ガラス科大学院修了。日産自動車�情報システム部、能登島ガラス工房スタッフなどを経て、'98年に夫・猛とともにGlass Studio SANOSANOを設立。「第3回清州国際工芸ビエンナーレ」(韓国)銅賞、「第46回日本伝統工芸富山展」高岡市長賞など、受賞歴多数。

Glass Studio SANOSANO
富山県富山市古沢157-2
TEL:076-436-3930

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