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現在位置:HOMEの中の観光・みどころの中の文化の中のガラスの街とやまからアーティストインタビュー 3

アーティストインタビュー 3

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第3回 渋谷 良治さん(ガラス作家、現富山市ガラス美術館長)


ガラスでこんな表現が出来るのか。はじめて見たときには大変な衝撃でしたね


ガラスに興味を持ったきっかけは何ですか?

「海の神殿 95-I」 1995年制作 H80 W54 D46 cm大学2年生の時、図書館でスタジオグラス(*1)の本を見たのがきっかけですね。その本に掲載されていたガラスの作品は、本当に多種多様で、ガラスといえば器やコップみたいなものしかイメージできなかった当時の僕は、大変な衝撃を受けたんです。「ガラスでこんな表現ができるのか!」ってね。当時僕は大学で彫刻を専攻していたんですが、自分を表現するための素材として、ガラスにすごく可能性を感じたんです。


(*1)スタジオグラス
1960年代にアメリカのハーヴェイ・K・リトルトンを中心に提起された芸術運動、もしくはその様式。画家がアトリエで絵を描くように、個人のガラス作家が自らの工房で自由に作品を制作するスタイルを指す。

素材としてのガラスにどんな魅力を感じていますか?

なんと言っても、“作品の内部空間にまで自分の表現を展開できる”という点ですね。例えば木や鉄で作品を作ると、“自分の表現”というのは、作品が輪郭として形作るフォルムや、表面に現れる質感といった部分にどうしても限られてしまいます。ところがガラスはご存知のように、基本的に透明な素材ですから、作品の内部まで見せることが出来るんです。他の素材に比べて非常に奥行きのある表現ができるのが、ガラスの優れた部分だと思います。

昔と比べて、作品を制作する時のコンセプトに変化はありますか?最近何か、作風が変わってきたような気が。。。

え!?そ、そうですか(笑)?いや、特に意識して変えているわけではないんですが。。。。でも、もし僕の作品に何か変化が見て取れるとしたら、それはもしかしたら、僕の生活環境が影響しているのかもしれませんね。もう富山に住んでかなり経ちますから。。。豊かな自然に囲まれた富山という土地が、無意識のうちに作品に影響を与えているのかもしれません。「星の軌跡」 2005年制作 H65 W56 D20 cm

先生はガラス作家であると同時に教育者でもあるわけですが、若い学生たちにどんなことを伝えたいですか?

そうですね。。。。僕が教えている富山ガラス造形研究所には、いろいろな夢を持った学生たちが入学してきます。もちろん作家になりたいという学生が多いのですが、例えば中には照明やコップなど、ガラスを使った「商品」を作りたいという学生もいたりするんですね。ですから、ひとくちにガラスといっても、将来的には色々なアプローチ、選択肢がある、ということを伝えたいですね。


東京ガラス工芸研究所へ入学して本格的にガラス作家への道に踏み出した時に、苦労したことは何ですか?

「REST -休息-」 1997年制作 H39 W82 D24 cmそりゃもう、何もかも、ですね(笑)。とにかく初めてのことばかりで、ノウハウがないですから。。。例えば「溶解炉」ってあるでしょ?今は温度管理を全てコンピューターで行っていますが、昔はなんと“手動”だったんです。つまり、自分でガスのコックを開け閉めして温度を調節してたんです。また、電気炉の仕事では、このぐらいの大きさのガラスを入れたら、どのくらいの温度を何時間キープしなければいけない、みたいな、科学的なデータが全然なかったんですね。だから最初に授業で入れたガラスは、他の学生のものも含めて全部割れてしまったんです。初めて電気炉の中の作品が割れずに出てきた時は、みんなで一緒に拍手してましたね。電気炉の前で(笑)。とにかくあらゆる面で試行錯誤の連続でしたね。

富山市がガラスに取り組み始めて20年近く経ちましたが、あらためて富山のガラスについて、どうお考えですか?

芸術ジャンルの一つとして、あるいは観光資源としてガラスに注目している自治体は他にもあるのでしょうが、人材育成や地場産業の形成など、ガラスというテーマでここまで幅広く、多角的に取り組んでいる自治体は、おそらく世界的に見てもほとんどないと思うんですね。しかも僕は個人的には、この富山市の取り組みは成功しているんじゃないかと思うんです。そりゃもちろん、課題もいくつかは、あるかもしれません。でも将来的に、富山市にガラスという一つの“文化”が形成されるためには、もう少し時間がかかって当然だと思うんです。他の地域に見られる有名な産業や芸術は、ほとんど例外なく数百年という長い歴史を持っています。“高岡の銅器”や“富山の薬”だってそうでしょう?それを思えば“富山のガラス”はまだ20年ですから(笑)、本当の意味で認知されていくのは、むしろこれからだと思いますね。渋谷良治さん

(2006年3月、富山ガラス造形研究所にて)


渋谷 良治
1956年埼玉県生まれ。'86年、ヘリット・リートフェルト美術大学ガラス科卒業。東京ガラス工芸研究所講師を経て、'90年に富山ガラス造形研究所設置準備事務局に入る。'91年に開校後は同研究所で教鞭をとり、同研究所主任教授となる。教育者として後進の指導にあたるとともに、個人作家としても数多くの展覧会に出品。国内のみならず海外でも評価の高い日本人作家の一人。’15年に富山市ガラス美術館長就任。

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