【クララ】
(苦参・クジン) マメ科

  山野に自生する多年草で、高さ1〜1.5m、根は太くて紡錘形。葉は三出羽状複葉で互生する。小葉は10〜18対あり、長楕円形のやや鈍頭で全縁となり、長さ1〜3.5cm。初夏には茎頂に淡緑黄色で長さ1.5cmの蝶形花を総状花序に密につける。果実は長さ5〜8cmの円柱形のさや果で、先はとがり、くびれがある。

[生薬]  秋から冬に根を掘り上げて、水洗いし、そのままか皮部を除いて天日乾燥する。これを生薬苦参という。繊維性の黄白色で苦味が強く、残留性がある。
[薬用]  苦参は苦味健胃、利尿、解熱、鎮痛、駆虫薬に効く。1日1〜3gの根を水300ccで煎じ1日1〜2回服用。粉末は1回0.5gを1日2〜3回に服用する。毒ヘビ咬傷にも内用し、動物寄生虫には煎液で洗い、農用殺虫剤には茎葉の煎汁が用いられる。また茎葉を刻んで便槽のウジ殺しに用いられる。
[成分]  苦参にはアルカロイドのマトリン約2%含有。その他オキシマトリン、ソフォラノール、ソフォカルビン、アナギリン、バプチフォリン、メチルシチジンなど、またフラボノイドのイソアンヒドロイカリチン、ノルアンヒドロイカリチンなどを含む。葉にフラボノイドのルテオリングルコサイドを含んでいる。
[栽培]  日当りのよいやや乾いた土地が最適。種子をまいて2年目に根を収穫できる。肥料はほとんどいらない。7〜8年以上同じ場所だと老化しているから更新する。