特集 次世代の“農業人”にせまる

農業について、みなさんはどんなイメージを持っていますか。
農業の担い手不足や耕作放棄地の増加など、多くの課題がある中で、市ではさまざまな施策を展開しています。
今回の特集では、農業に携わる若い就農者の方の話をお聞きしながら、次世代の“農業人”にせまります。

[問い合わせ] 農政企画課 電話:443-2080

INTERVIEW

若い就農者の方にお話を聞きました

 地元・庵谷いおりだにで、米を中心に作っている幸村多加志さんと、その米を使ったメニューでカフェを運営している奥様・愛弓さん。夫婦二人三脚で農業に携わっているお二人に、お話を聞きました。

生産 写真:ゆきむらファームの幸村多加志さん

ゆきむらファーム
幸村多加志ゆきむらたかしさん

農業は思っていたより大変。でも、喜ぶ人がいるから頑張れる。

 もともと家が農家で、熱心に米を作る父親を手伝ううちに、仕事として農業をやっていくのもいいな、と思ったのが農業を始めたきっかけです。
 でも、始めてみたら、思っていたより大変でした。家の田んぼは棚田で、小さな田んぼがいくつもあるので、平地の田んぼと比べると、田植え、草刈り、稲刈りなど全ての作業が、倍以上の時間がかかるんです。さらに、山間地ということもあり、サルやイノシシなどの鳥獣被害も多くて…。最初は米だけでなくネギなども作っていたのですが、野菜は被害を受けやすいので断念しました。
 正直、農業をやめようと思ったことはこれまで何回もあります。でも、自分たちのことを「若いもん、頑張れ。応援しとるぞ」と言ってくれる人がいたり、自分が作った米を楽しみに待っている人達がいるから、頑張れています。
 他の地域と比べて作業が多いことは大変ですが、僕は自分が生まれ育った庵谷で農業を続けていきたい。ここでずっと細入の棚田を守っていきたいと思っています。

写真:田んぼと幸村多加志さん

農業の担い手を増やすために

 市内農家のうちの約9割は60歳以上で、年々その割合は増えています。また、この10年で農業就業者が4,724人も減少しています。市の農業を持続的に発展させるためには、農業の担い手を増やしていく必要があります。

年齢別農業就業人口のグラフ

市の主な取り組み

  • 農業の魅力を伝え、農業への関心を増やす
    営農サポートセンターで開催している「とやま楽農学園」では、農業の知識を深めたい人や新たな生きがいを求めている人などに対する講座を開講し、農業に携わる人材を育てています。
  • 農業経営を安定的に継続できる環境を整える
    自身の農業経営に生かすため、先進的な農家などの知識や技術を実践的に学びたい人の研修費用などに対して支援するとともに、農業経営を開始して間もない人の経営の安定化に対して支援しています。
加工と販売 写真:HAPPY VILLAGE41の幸村愛弓さん

HAPPY VILLAGEハッピー ビレッジ41
幸村愛弓ゆきむらあいみさん

カフェを始めたことをきっかけに、新たな流れができた。

 結婚するまでは、農業は全くの未経験でした。私も去年までは夫と一緒に農作業をしていましたが、前からカフェをしてみたいという思いがあり、今年の4月にカフェをオープンしました。
 店名は幸村という名字にちなんでいるだけでなく、細入を幸せな村にしていきたいという思いから「HAPPY VILLAGE41」と名付けました。店が41号線沿いにあるため、バイクやロードバイクに乗る方によく利用していただいています。
 メニューはライスバーガー、ライスコロッケなど、米がメインのものが多いです。自分たちが作った米を調理して、おいしく食べてもらえること、そして何よりお客様の笑顔が一番の喜びや励みとなっています。
 また、カフェを始めたことをきっかけに、6次産業化についてのセミナーにも参加するようになりましたが、とても良い勉強になっています。農産物の加工・販売などの6次産業化に興味を持っている方が多いことに驚きました。
 このカフェのおかげで、夫が米を作り、私がそれを加工してお客様に提供する、という新たな流れができました。これからも、夫と協力しながら頑張っていきたいと思います。

写真:ハピライスとライスバーガー

米を活用したメニューの一例
左:ハピライス 右:ライスバーガー

農業の収益力向上のために

 市の主要農産物である米のブランド力を高めながら、地域の特性を生かした高収益作物の栽培や高付加価値化、6次産業化の取り組みなどにより、農業の収益力を向上させることで、活力ある力強い農業をめざします。

6次産業化とは

 農産物の生産に加え、加工や販売を一体的に行うことです。1次産業(農業)と2次産業(製造業)、3次産業(小売業など)が連携することから、それらの数字を掛け合わせ「6次産業」と呼んでいます。

6次産業化の可能性

 農業の6次産業化により、収益力の向上や雇用創出につながることが考えられ、農山村地域が活性化する可能性を秘めています。

市の主な取り組み

  • 6次産業化に取り組みやすい環境づくり
    地域の特性を生かしながら6次産業化に取り組む農業経営体や、特産品の加工・製造などに取り組む女性に対して支援しています。
  • 高収益作物の栽培推進
    野菜や果樹の既存産地での生産振興や、地域の特性を生かした特産物の栽培、「薬都とやま」の強みを生かした薬用作物や健康作物の栽培拡大に対して支援しています。

農業のこれから

写真:幸村多加志さんが話す様子

農業のイメージを変えたい。

多加志さん 農業と言うと、田舎っぽいとか、お年寄りがやるものというイメージがあると思いますが、僕はそれを変えていきたいです。農業がもっと都会的でかっこいいイメージになれば、若い人も農業に興味を持つようになるんじゃないかなと思います。
農業のイメージを変え、担い手が増えることで、富山の農業がもっと盛り上がっていけばいいなと思います。

市は、富山の農業を元気にするために、意欲ある次世代の“農業人”を応援します。
新規就農や6次産業化などについて関心のある方は、農政企画課までご相談ください。