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アメイジングトーク⑥ 語る! 深める! AMAZING TOYAMAアメイジング トヤマ

家具作りも、人生も、粟巣野あわすのが師匠です。

写真:柿谷清さん

三兄弟で、粟巣野へ移住。

 私たち三兄弟は、1963年にスキー好きが高じて高岡から立山山麓の粟巣野に移り住み、日々スキーを楽しみながらロッジを運営していました。そんな中、ロッジで使う家具を自分たちで作り始め、スキー客からもオーダーされるようになったことが、木製家具の工房「KAKIカキ」の原点です。
 長兄がスキーで足を骨折したのを機に、本格的に家具作りを始めました。その頃、借地に小屋を建てて暮らしていた私たちの真面目な姿を見て、地域の人たちが共有地を分けてくれたんです。どこの馬の骨かも分からない若い男三人に。いい話でしょ。おかげで工房を建てることができました。

人と人を会わす、粟巣野。

 粟巣野は、とにかく人が最高です。戦後の開拓地だからか、考え方や行動が人と違っていても受け入れてくれます。今では、日本の開拓地のほとんどが廃村になっているようですが、ここは若者にもお年寄りにも愛され、開拓者の2代目も住み続けているため、人口が増加しています。著名なヴァイオリン奏者・指揮者のシモン・ゴールドベルクが晩年のに選んだ地でもあります。土地そのものに人をきつけるパワーがあるのでしょう。
 立山には、「神様がいた」という言い伝えがあります。古い資料には、らいちょうバレー周辺にある「花切はなきり」という場所で花を切り、粟巣野でお供えをして手を合わせてから、立山に入るという記録が残っているようです。手を合わす粟巣野には、「人を会わす」というパワーもあるのかもしれません。

写真:柿谷清さん プロフィール

柿谷清(かきたにきよし)さん
1951年生、高岡市出身。高校卒業と同時に、KAKIの家具職人となる。以来、ベニマツの無垢材を主に使用し、家具やインテリア小物などの製作を手がける。趣味はスキーとギター。

雄大な自然こそが師匠。

 ヨーロッパの庶民は、マツで作られた素朴で頑丈な家具を代々大切に使い続け、安易に捨てたりはしません。その心の有り様に深い感銘を受け、今のスタイルにつながっています。規模の拡大やオートメーション化はせず、自分たちの目の届く範囲内で、素朴で頑丈な家具を作ることを大切にしています。
 粟巣野の雄大な自然は、無垢むく材という自然素材を扱っている私たちにとって師匠のような存在。家具を長く愛用してもらえるよう、装飾を抑え、簡素に作ることを心がけていますが、その絶妙な塩梅あんばいも粟巣野が教えてくれます。

いい人、いい環境に恵まれて。

 私たちの代で終わると思っていましたが、今も息子やおいとともに家具を作り続けています。子どもたちが自らの意志で同じ道に進んでくれたこともうれしく、これからも、みんなでいい家具を作っていきたいですね。家具職人になって約50年、今も粟巣野に住めることが喜びです。いい人、いい環境、いい仕事に恵まれて、こんなに幸せな人生はないと思っています。

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この連載では、富山で活躍するさまざまな方の「アメイジング(驚くほど素敵)」な富山について掲載します。また、WEBサイトでは皆さんのアメイジングなエピソードも募集しています。

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