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越中ゆかりの画人、岸駒を祖とする岸派は、江戸時代後期の京都画壇で円
山派や四条派とならんで勢力をほこり、その活動は明治期まで続きました。
開祖である岸駒は、母親の実家が富山県の岩瀬にあったと伝えられていま
す。青年期までを加賀国金沢で過ごし、安永八年(1778)頃に京都に上りまし
た。天明四年(1784)に有栖川宮家に出入りを許されて出世の機会をつかむと、
やがて諸派を折衷した表出性の高い画風を確立して人気絵師となり、一族の
他に河村文鳳、横山華山など多くの門弟を擁する岸派の祖となりました。
その後、岸派では岸駒の長子・岸岱や、岸駒の養子となった岸良らが祖風
を受け継ぎ、諸派に対抗しました。幕末期になると岸連山が、新たに四条派
の画風を加味して流派に新生面をもたらしています。また、連山の養子・竹
堂は、明治期に流入した西洋画の視覚表現を採り入れ、時流に沿った多彩な
画風を展開することで画壇に名を残しました。流派としての岸派の活動は、
実質的にこの竹堂をもって、明治時代中頃に終焉を迎えることになります。
本展では、岸駒とそれに続く絵師たちの作品を、伝来する絵画資料をまじ
えて展示し、江戸後期から明治にかけて日本画壇に足跡を残した、岸派の画
業の一端を紹介します。
◇ 会 期 令和2年2月8日(土)~4月12日(日)
◇ 休 館 日 2月26日(水)
◇ 開館時間 午前9時~午後5時(入館受付午後4時30分まで)
◇ 場 所 富山市佐藤記念美術館
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◇ 観 覧 料 大人 210円 高校生以下無料