今日の城址公園整備
(1)土橋・本丸通路の「犬島石」
 
城南の大手町から本丸へ向かうとき、水をたたえた内堀土橋を通り、鏡石の前を横切って進みます。
この通路には、四角い板石が並べられています。その板石は、黄色っぽい色で、縞がついているものもあります。これは城址公園整備に伴い、平成21年に新設されたものです。
この石材は、瀬戸内海に浮かぶ島、岡山県犬島で産出した石で、「犬島石」呼ばれる花崗岩かこうがん(御影石ともいう)です。
本丸鉄門石垣通路面の犬島石
本丸鉄門石垣通路面の犬島石
犬島石(拡大)
犬島石(拡大)
この犬島石は、江戸時代に大坂城・江戸城などに運ばれ、石垣に使われました。最も有名なのが大坂城の「蛸石たこいし」で、面積は約60平方メートル、畳36枚分もあり、日本一の大きさを誇ります。 
石の性質は、石目に対して割れが早く、整形するためのゲンノウが掛けやすいため、石積用材に適しているとされています。
これに対して、早月川周辺産とみられる富山城石垣の花崗岩は、結晶が粗く、まっすぐ割れにくい性質を持っており、大きな石材がとれにくいようです。
(古川)