石垣石材の転用
(4)舟橋今町神明社の手水鉢ちょうずばち

Stone washbowl(chozubachi) in Shinmei shrine at Funabashi-imamachi
 
神通川北の通称舟橋向いでは、旧北陸街道沿いに舟橋今町がありました。その鎮守神明社の手水鉢は、石垣石材を転用したものです。
 
石は、早月川産花崗岩玉石を四分割したもので、長さ36寸(118.8cm)幅20寸高さ11寸です。2辺に矢穴痕が計5個残されています。
石面に当たる面は、向かって左側にあり、正面中央には「奉納╱明治十七年」と伝平ほか計3人の寄進者の名前が刻まれています。
上面の水穴は、14寸×8寸の楕円形で、深さは3寸です。
 
この石垣石材は慶長期に調達されたと推定されます。富山城関連の石垣石材あるいは北陸街道沿いの水路や河川の護岸石材ごがんせきざいを転用したものと考えられます。
(古川)
舟橋今町神明社の手水鉢 舟橋今町神明社の手水鉢
舟橋今町神明社の手水鉢