星形刻印・岡田保造 大阪成蹊短期大学名誉教授のコメント
平成22年7月7日の石垣ツアーより


 
7月7日の石垣ツアーは、鉄門石垣にある大型の星形刻印について解説しました(この刻印の詳細は、「星形刻印」の項を参照)
解説の後、魔よけ研究の第一人者であり、大阪成蹊短期大学名誉教授の岡田保造氏からコメントをいただきました。その要旨は次のとおりです。

星形刻印は、市埋文センターの解説にあった通り、裏鬼門の魔よけのために彫られたものである。星形は、一筆書きができる閉じた図形であるから、魔ものの進入を防いだり、閉じ込めたりできるという意味がある。

我々は日常的にこうした図形を「星印」と呼んでいるが、日本では古来より星は○で表現されてきた。星印という呼び名は後世に考えられた名称である。

市埋文センターの解説では「晴明印」と言われていたが、星印は安倍晴明より前から存在しているので、晴明とは無関係と思われる。

広島城本丸の裏鬼門(南西)にあたる六番櫓台石垣にも、隅石に分銅紋の刻印が一石おきに彫られている。分銅紋も閉じた形で、呪符であったと思われる。後に貴重な銭貨を扱う記号となった。富山城と同じく魔よけのためになされたのであろう。

富山城でも7石ごとに星形刻印が彫られている。この7石ごとということにも何か意味があるのかもしれない。
(野垣)
コメントされる岡田先生(中央)
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