鏡石
鏡石の解体から

石垣に組み込まれた巨石(鏡石)は、藩主の権力を示すためのものとされています。

富山城の鏡石は、加賀の前田利長が慶長10(1605)年頃に築き、富山藩初代藩主前田利次が寛文元(1661)年頃現在の形に積み直したと考えられます。

鏡石は大手筋の通路面に6個の鏡石が配置されています。最大の鏡石は、縦2.8m横2.7mの方形のものです。
今回はそのうちの西側石垣の1つを解体しました。
   
解体前 解体後
解体前 解体後
   
最大長さ 3.65m
最大幅 2.05m
面積 5.87平方メートル
(3畳半敷)
厚さ 上端 50cm
下端 70cm
重量 約6.0トン
裏面の矢穴 19個 
この鏡石を割りとった岩石は、4m以上の川原石で、それを4枚以上に割っていると推定されます。そのうちの1つは、博物館下の石垣の鏡石として、天地を逆にして使われています。
解体した鏡石のデータ

巨石を薄く割る技術、倒れないように固定した技術はきわめて高度で、熟練した専門的石工(金沢穴生あのう)が携わったことを示しています。
(古川)