富山藩主 前田家墓所 長岡御廟所の調査
7.墓所石造物の帯磁率調査
(3)帯磁率測定結果
4.家臣寄進燈籠
 
入口から藩主墓に至るまでの参道両側に並べられた花崗岩製小型燈籠で、竿には藩主の位号と忌日及び寄進を行った家臣名の刻銘があります。明治18年には533基がありました(「長岡御廟所御代々御墓並重臣ヨリ献灯姓名録」)。現在は544基以上があります。すべて元の位置から移動しています。
このことから、計測は刻銘のある竿498基について行い、藩主ごとに集計しました。

全体の傾向は、最大値5.24×10-3SI、最小値0.06で、0.1以上から4未満の範囲に97%が含まれます。 0.1未満のものは、七代1基、八代1基、九代4基があり、5を超えるものは、十代の1基のみです。

ヒストグラムを比較すると、初代から七代までは1以上3未満にピークがあり、九・十代は1未満のものが多くなります。八代は両方の値を示しています。十一代は3以上4未満が新たに増えます。

以上のことから、石材は八代を境に変化しますが、十一代には新たな石材を多数採用したことがわかりました。
(古川)
 
区分 初代 二代 三代 四代 五代 六代 七代 八代 九代 十代 十一代
5≦                   5.24  
5未満最大値 4.37 3.31 3.38 3.42 3.67 2.57 2.78 2.98 4.29 4.20 4.59
最小値 0.36 0.15 0.57 0.47 0.48 0.78 0.06 0.06 0.08 0.19 0.20
5未満平均値 1.93 1.50 2.09 1.98 2.01 1.90 1.91 1.39 0.79 1.80 2.28
家臣寄進燈籠の帯磁率一覧 使用機器:KT-6単位:×10-3SI

家臣寄進燈籠の帯磁率ヒストグラム