(1)1970・71年の調査 (富山県教育委員会 調査)

2. 出土遺物

この調査で、縄文土器、石器、骨角器、獣骨、魚骨、堅果植物等が出土しました。
(1)縄文土器
縄文時代前期に属します。最も出土量の多いのは前期中葉に属する群で、福浦下層式(北陸)などに当たります。それに次いで多いのが、前期後葉の土器で蜆ヶ森式(北陸)などであります。県外の土器は、北白川下層2式および3式(関西)、諸磯b式(関東)などがあります。
(2)石器
石錘・石鏃・石槍・石匙・けつ状耳飾等が出土しています。擦石・石皿の出土が少なく、同時期の山間地の遺跡である吉峰遺跡(立山町)では石器の中で中心的位置を持つ石器であることを考えると、貝塚との食性の違いを示すと考えられます。
(3)骨角器
骨針・尖頭器・有孔装身具・猪牙製の垂飾品等があります。
(4)貝・魚骨・獣骨・堅果植物
貝層から出土する貝は大タニシ・ヌマ貝・ヤマトシジミの淡水産の貝が大部分を占める。若干のかん水産の貝(サザエ・ハマグリ・アカガイ・巻貝等)が含まれます。
魚骨はクロダイ・スズキ等が認められました。
獣骨は鹿・猪等の陸獣、アシカ等の海獣、鳥類が認められました。
堅果植物は、クルミ・モモ等が認められました。
(堀内)
土器 石器 装身具
土器 石器 装身具

出土遺物写真・図
富山県教育委員会1972年 『富山県埋蔵文化財調査報告書U』 より抜粋