弥生時代後期から終末期の遺構(2)
   
平成20年度に個人住宅建築工事に先立ち調査を行いました。

調査では、弥生時代の浅い谷地形を検出し、白江式(終末期、約1700年前)を中心とする弥生土器や石器が多数出土しました。

また、東西長4.4mの方形を呈する遺構も検出し、弥生土器の出土する柱穴状遺構を伴うことから、竪穴建物と推測しています。
調査区位置図
調査区位置図
今回の調査区の東北東40mで行った、平成24年度の調査で検出した弥生時代後期から終末期の溝からは、イネ籾殻などの水田耕作の痕跡を確認しており、本遺跡南部分には稲作を行っていた弥生時代後期から終末期の集落があったと思われます。
 
本遺跡南の台地上には、弥生時代後期前半の方形周溝墓を有する呉羽モグラ池遺跡や古墳時代前期前半の呉羽三ッ塚古墳が築かれています。その周囲には弥生時代後期から古墳時代前期の集落である山寺谷T遺跡・山寺谷U遺跡が所在します。本遺跡とともに、上記の古墳を築いた人々の集落であった可能性があります。
(堀内)
谷地形の遺物出土状況 弥生時代の竪穴住居
谷地形の遺物出土状況 弥生時代の竪穴住居