国立科学博物館便り(3) 2009年6月

順調に進む小竹貝塚出土縄文時代人骨のクリーニング

2008年10月の発掘で発見された縄文時代人骨2体のうち、特に富山県では縄文人骨のものとしては初めての出土例と思われる、顔面つき頭蓋とうがい〔注1〕のクリーニングも着々と進んでいる。

しかし、肝腎の顔面がどの程度まで復元できるかは、今のところ、見極めが難しい。
 
科博・人類研究部長 溝口優司
 
〔注1〕頭蓋(とうがい)
解剖学では、個々には前頭骨ぜんとうこつ頭頂骨とうちょうこつ後頭骨こうとうこつ鼻骨びこつ下顎骨かがくこつなどと言われる20数個の頭蓋骨(とうがいこつ)が集まってできた1個の頭の骨のことを、「頭蓋」と呼ぶ。「頭蓋骨」は、頭の骨を構成する個々の骨の総称である。
小竹貝塚出土1号人骨頭蓋をクリーニングする古人骨復元歴32年の中塚彰子氏 外された1号人骨の脳頭蓋の破片
小竹貝塚出土1号人骨頭蓋をクリーニングする
古人骨復元歴32年の中塚彰子氏
外された1号人骨の脳頭蓋の破片