小竹貝塚人骨数について
小竹貝塚の調査のうち、埋葬人骨が出土した調査は4回(1971、1991、2008、2010年)あり、最小個体数で100個体確認している。それぞれに関わる報告は、以下のとおりである。
調査年 調査機関 調査方法
最小個体数 埋葬形態 性別
備考
1971年
(昭和45年)
富山県教育委員会 発掘調査
1個体 側臥屈葬1体 成人男性1体
『富山県埋蔵文化財調査報告書U』(1972)にて、「出土状況はいわゆる屈葬の状態を取っており、(中略)埋葬された土層は貝層中である」と報告。

林夫門・溝口優司氏が、「富山県朝日・小竹両貝塚出土の縄文時代人骨について」『国立科学博物館専報』第18号(1985)にて、「成人男性」と報告。
1991年
(平成3年)
富山市教育委員会 工事立会・土壌洗浄
2個体 不明2体 成人男性、成人各1体
山崎京美氏が、「小竹貝塚採集の動物遺存体」『富山市考古資料館紀要』第13号(1993)にて、「少なくとも2体分の骨があるようである」と報告。

溝口優司氏が、出土人骨の再検討を行った結果、「成年男性1個体を含む、少なくとも2個体分の成年人骨が出土していたことになる。」と『小竹貝塚発掘調査報告書』(2014)で報告。
2008年
(平成20年)
富山市埋蔵文化財センター 工事立会・土壌洗浄
6個体 側臥屈葬(抱石葬)1体、不明1体、埋葬位置不明1体 成人女性2体、不明4体
2008年10月16日、2体の埋葬人骨を公開。

溝口優司氏が、出土人骨の検討を行った結果、「最小個体数は、成人女性2個体を含む6個体ということになった。」と『小竹貝塚発掘調査報告書』(2014)で報告。
2010年
(平成22年)
富山県文化振興財団埋蔵文化財事務所 発掘調査
91個体 仰臥屈葬23体(うち、抱石葬9体)、側臥屈葬10体、不明屈葬3体、伸展葬1体、不明35体、土器棺4体、埋葬位置不明15体 男性35体(青年11体、
中年8体、老年4体、
成人11体、不明1体)、
女性18体(青年4体、
中年2体、老年4体、
成人8体)
子供20体、不明18体
2010年10月14日、埋葬人骨は71体と公式発表。

『小竹貝塚発掘調査報告書』(2014)で、「埋葬位置が明らかな72体と土器棺4基、それ以外の散乱骨を足した最大161体、最小個体数で91体になる」と報告。