押出型ポイント
 
平成20年度の調査で出土した貝層の土を洗ったところ、1点の棒状石器を確認しました。

形状は、基部きぶに両側からえぐりを入れて石匙いしさじのつまみのような作りをした部分を持ち、両面加工した尖頭器せんとうき状の形をしています。
大きさは長さ5.7cm、幅0.9cm、最大厚0.65cmです。石材はメノウです。(富山市科学博物館 増渕氏の鑑定による)
このような形状をしている石器は、縄文時代前期、山形県押出おんだし遺跡など東北地方から北関東を中心に分布する押出型ポイントと呼ばれています。
今回出土した石器について、財団法人山形県埋蔵文化財センター 阿部明彦氏にお聞きしたところ、「形状は押出型ポイントと見られるが、石材が押出型ポイントに多い頁岩けつがんではないため、おそらく模造品であろう」とコメントをいただきました。
 
《参考文献》
山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館 2007年 『押出遺跡』
(堀内)
押出型ポイント
押出型ポイント