平成20年度の調査で出土した貝層の土を洗ったところ、未成品のけつ状耳飾が出土しました。
大きさは、縦5.0cm、横3.9cmで、やや縦長の楕円形です。最大厚1.7cmです。石材は緑泥石(モース硬度2)です。
円礫を擦り切り技法によって横位分割したと見られます。 「円礫周縁から中核に向けて回し切りし、中核を残して“割り取る”。中核部は細かな敲打(ペッキング)技法によって調整、研磨によって円形平板(円盤)を作成している。」と、藤田富士夫氏により本資料の製作方法が報告されています(藤田2009年)。
中央上部の穴の部分は敲打、切り目を入れる部分は摺り切り技法でその予定箇所に目印を残しながら製作していることが分かります。 貝層土壌の洗浄した中からは、多量の剥片や石核なども確認されることから、小竹貝塚において石器製作を行っていたと考えられます。 |