下呂石(2) 原石の搬入形態
 
下呂市湯ヶ峰からもたらされた下呂石は、原石のまま富山に搬入されました。この原石がどのような状態であったかを復元することにより、どのあたりで採取された原石かを推定することができます。
原石の面の様子と採取地は、おおよそ次のように分類されます。
1 平らな面を残し、あまり摩滅まめつしていない角のある角礫かくれき状のものは、湯ヶ峰山中の露頭ろとうで採取
2 角がやや丸みをおび、つめ状の傷が多く認められるものは、湯ヶ峰付近の河川(乗政のりまさ川など)で採取
3 白く丸い円礫えんれきの面が認められるものは、湯ヶ峰から数キロメートル以上離れた河川(飛騨川・木曽川)河川敷で採取
小竹貝塚の下呂石剥片はくへんをみると、原石であったときの面を残すものがあります。
その原石の面は、1のものが多く、わずかに2がみられます。
このことから、小竹貝塚に持ち込まれた原石の多くは、湯ヶ峰山中の露頭から直接持ち込まれたことがわかります。
そのルートは、飛騨高山を経由し、神通川沿いという、最短経路であったと推定されます。
(古川)
湯ヶ峰付近の露頭で採取されたことを示す原石面をもつ剥片   湯ヶ峰付近の河川転石であることを示す剥片 
湯ヶ峰付近の露頭で採取されたことを示す
原石面をもつ剥片
  湯ヶ峰付近の河川転石であることを示す剥片