下呂石とは、岐阜県の南部、下呂市湯ヶ峰に産出するガラス質安山岩のことをいいます。湯ヶ峰と富山市中心部とは、直線距離で約100km離れています。 富山県内では、縄文時代の石鏃(矢じり)などに下呂石が使われていることが早くから知られていましたが、その実態は不明でした。
縄文時代前期の小竹貝塚では、剥片石器の一部にこの下呂石が使われています。 下呂石製の石器には、石鏃・石錐(穴をあける)・石匙(皮をはぐ)・削器(削る)があり、石鏃に最も多く使用されています。 このほか、剥片石器を作るための素材である剥片や製作中に出る微細な破片(チップ)が多く見つかっています。したがって、小竹貝塚では剥片石器の製作を行っていたことがわかります。 |