居住域の調査(平成21年度)
 
平成21年度は、平成20年度に引き続き新鍛治川改修工事に伴う工事立会調査を行いました。調査区は幅約1mの範囲にすぎませんでしたが、住居などを検出し、居住域の拡がりを確認しました。

<北側>
大型土坑・穴などから、縄文土器(前期)・石槍いしやり石錘せきすいなどが出土しました。
大型土坑は直径約90cmから120cmで、深さ約100cmから120cmを測ります。部分的な調査のため、全体規模は不明ですが、掘立柱建物の柱穴の可能性があります。
調査区位置図
調査区位置図
 
<南側>
竪穴住居3棟、土坑、地点貝塚などを検出し、縄文土器(前期)・石錘・イルカ脊椎骨せきついこつなどが出土しました。
竪穴住居は、直径4mの円形、長軸2.7mの方形、不整形(貼床はりゆかを持つ)の3棟が確認されました。また、重なっている住居もあり、建て替えが行われていたと考えられます。

また、南側右岸では、財団法人富山県文化振興財団埋蔵文化財事務所の発掘調査が行われました。縄文時代前期中葉から末葉の3時期の遺構面が確認され、竪穴住居・土坑・土器廃棄場(谷)・地点貝塚などが検出され、縄文土器(前期)、石鏃せきぞく、石錘、けつ状耳飾じょうみみかざり、獣骨などが出土しました。
(堀内)
北側右岸完掘状況   竪穴住居(南側左岸)完掘状況
北側右岸完掘状況   竪穴住居(南側左岸)完掘状況