動物の骨 
 
動物の骨
竪穴住居たてあなじゅうきょや粘土採掘穴は、役目を終えたあと、縄文人のゴミ捨て場として使われていました。そこからは、いろいろな種類の動物の骨が出土しています。狩猟や漁撈をして、捕って食べた魚や動物の骨を捨てたものでしょう。出土するのは小さな破片ばかりですが、それらを分析することにより、縄文人がどんな動物を食べていたかがわかります。
現在富山県には生息の確認されていないシカやイノシシの骨も出土していることから、当時は呉羽山周辺に生息しており、縄文人はそれを狩猟して食べていたようです。
 

 
クジラの骨
高床建物の柱穴には、体長16mにも及ぶナガスクジラの背骨の破片が埋納(まいのう)されていました。当時の富山湾はクジラも回遊する豊かな漁場でしたが、大型のクジラは珍しく、その背骨についても特に貴重な物として扱われていたようです。
ナガスクジラの出土例は大変少なく、北陸では北代遺跡と石川県真脇(まわき)遺跡の2例のみです。平口哲夫先生(金沢医科大学)によると、出土例が少なく、しかも断片的な破片が多いのはかなり広範囲の集落に分配して骨まで徹底的に利用したからだろうということです。
クジラの骨出土状況

クジラの骨
鯨類椎体破片の推定部位図